MicrosoftがXbox Copilotを捨てた話を聞いて思ったこと

林 美里
林 美里 30代・ フリーランスデザイナー
Microsoftが「Xbox Copilot」を終了する、というニュースを読んだ。
モバイル版は段階的に終了、コンソール版は開発そのものを中止するらしい。
新しいXbox CEOのAsha Sharmaが自らXに投稿して発表した内容だ。

去年、Microsoftはゲーマー向けCopilotを大々的に打ち出していた。
今年中に現行コンソールに届けると3月に言っていたのに、それがひっくり返った。

正直、最初に読んだとき「あ、やっぱり」と思った。
ゲームにAIアシスタントをくっつけるって、誰が欲しかったんだろうという疑問が最初からあった。

「使えるから作る」と「必要だから作る」は違う



デザインの仕事をしていると、これに近いことをよく考える。
MidjourneyもAdobe Fireflyも、確かに使える。
ラフのバリエーションを一瞬で出せるし、クライアントへの提案資料も作りやすくなった。

でも「技術的にできるから実装した」ものって、結局ユーザーに刺さらないことが多い。
Xbox Copilotもそういうものだったんじゃないか、という気がする。
ゲームをプレイしながらAIに話しかけたい人が、どれだけいたのか。

一方で、自分がAIツールを使うときの基準は割とシンプルだ。
「これがないと競合に負ける」か「これで自分の時間が本当に浮く」か、どちらかに当てはまるかどうか。
そのどちらでもないなら、使わなくていい。

「全部任せると自分が消える」というジレンマの正体



最近、クライアントから「AIで作れますよね?」と言われることが増えた。
MidjourneyやFireflyで画像を出せるのは事実だし、否定するつもりもない。
でも「出せる」と「ブランドとして機能する」は全然別の話だ。

AIが出してくる画像は、確かに品質が高い。
ただ、そのブランドが誰に向けて、何を伝えたいのかという文脈を理解したうえで出力しているわけじゃない。
私がやっているのは、その文脈を一緒に作る部分だと思っている。

Xbox Copilotの撤退を見て感じたのは、AIを「機能」として乗せるだけでは弱いということだ。
Sharmaが投稿の中で「プレイヤーと開発者双方の摩擦を解消する」と言っていた。
その言葉のほうが、Copilotよりずっと本質に近い気がする。

摩擦を減らすためにAIを使うのか、AIを使うために摩擦を増やすのか。
この順番を間違えると、どんなに高機能なツールでも結局は捨てられる。

自分もたまに「このツール使ったほうがいいのかな」と焦って試すことがある。
でも今回の件で、もう少し落ち着いて「何のために使うのか」から考えようと思った。

まず来週、使っているAIツールのリストを見直してみるつもりだ。
本当に摩擦を減らしてくれているもの、なんとなく使っているもの、きちんと仕分けしてみる。

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