UberのCEOがAIで自分を置き換える話を聞いて考えたこと

石井 雅之
石井 雅之 50代・ 大手製造業・部長
先日、Uberのダラ・コスロウシャヒCEOのインタビュー記事を読んだ。毎年恒例のGO-GETイベントに合わせてニューヨークで収録されたやつで、内容がなかなか刺さった。

UberがExpediaと提携してアプリ内でホテルの予約ができるようになるとか、車内でコーヒーやスナックを注文できるとか、そういう話も面白かった。ただ、自分が一番引っかかったのは別のところだ。

「AIがCEOを置き換える日」を自分ごととして考えてみた



インタビューの最後に、記者がコスロウシャヒに「AIがCEOを置き換えるのはいつか」と聞いた。すると彼は笑いながら、社内にすでに「ならず者のAIダラ」が存在していると答えた。冗談っぽく話してはいたが、Uber社のCTOが「年始から4月頭までに年間のトークン予算を使い切った」と発言していることと合わせて読むと、笑えない話になってくる。

トークン予算を4ヶ月で使い切るって、どれだけAIに投資しているんだという話だ。そしてそれを受けて、コスロウシャヒ自身が採用ペースを見直していると言っている。人を採るかわりにAIに金を使う、という判断をCEOが堂々と口にしている時代になった。

翻って自分の職場のことを考えた。営業DXの推進を担う立場として、最近こういう話を経営陣にどう説明するかが頭の中でずっとぐるぐるしている。

「AIに予算を使う」を稟議でどう説明するか



Uberの話は極端だとしても、構造は似ている。AIツールに投資することで、従来なら人を増やして対応していた業務量を処理できるようになる。これを「コスト削減」と言うと経営陣は喜ぶが、現場の部下には微妙な空気が流れる。「人が要らなくなるんじゃないか」という不安だ。

自分はこの問いに対して、今のところこう整理している。

  • AIは「作業量の増加を人手なしに吸収するバッファ」として説明する
  • 削減ではなく「同じ人数でより高い目標を追える体制づくり」として提案する
  • 投資対効果は「採用コストとの比較」でなく「売上貢献の加速」で語る


稟議書に「業務効率化」と書くだけでは通らない。経営陣が知りたいのは、それが売上にどう結びつくかだ。Uberが「AIへの投資で採用を抑制した」と言えるのは、それだけ効果が数字で見えているからだと思う。うちはまだそのレベルには至っていない。

ただ、逆に言えば、今から使い始めれば「どう変わったか」を数字で示せるタイミングが来る。それが稟議を通す材料になる。コスロウシャヒの話で一番参考になったのは、「試してから考える」という姿勢だ。昨年のインタビューでも「AIパートナーシップには積極的に手を挙げた」と話していた。結果はまだ出ていないものもあると正直に認めながら、それでも試し続けている。

自分も来月の部内MTGで、まず小さい範囲でAIツールの導入効果を測る実験を提案してみるつもりだ。「やった結果」がなければ経営陣を動かす材料は揃わない。まず動いて、数字を持って話しに行く。それしかないと思っている。

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