AI導入率96%の企業が示す「市場で勝つ」ヒント

松田 翔
松田 翔 40代・ 個人投資家
先日、生成AIの社内活用モチベーションが続かない理由と対策を扱った記事を読んだ。
正直、最初は「業務改善の話か」と思ってスクロールしかけた。
でも途中で手が止まった。

LIFULLが独自指標「LAIC」で利用率96%超を達成、Ubieが週次利用率85%を維持しているという数字が出てきたからだ。
これは単なる社内DXの話じゃない。
投資判断として読むべきデータだと気づいた。

利用率の数字が示す「企業の本気度」



生成AIツールを配布しても使われなくなる企業がある。
一方で、96%という異常な定着率を出す企業がある。
この差は、株式市場が好きな言葉で言えば「実行力」だ。

投資家として私が気にするのは、AI関連銘柄を語るときに使われる「AI活用推進中」という文言がどれだけ実態を伴っているかだ。
リリースや決算説明資料に「生成AI導入」と書いてあっても、それが社員の5%しか使っていないツールなら、コスト増でしかない。
LIFULLのように独自の評価軸を設けて96%定着させている企業と、ChatGPT Enterpriseを配布して終わりにしている企業では、将来の生産性に雲泥の差が出る。

これは財務諸表には今すぐ現れない。
でも1〜2年後の一人当たり売上高や営業利益率に必ず出てくる。
そこを先に読めるかどうかが、AI関連銘柄への投資で勝てるかどうかの分岐点だと思っている。

為替・株価への織り込み方をどう考えるか



Ubieが生成AI専任チームを組んで週次利用率85%を維持しているという事実も面白い。
医療系スタートアップが、ツールを「配って終わり」ではなく、継続的に運用しているということは、それだけ業務効率の改善が数値で出ているはずだ。
そうでなければ、コストを割いてチームを維持しない。

私が元証券マン的な視点で考えると、こういう企業の動向はまず米国市場でテーマ株として先行して動く。
NvidiaやMicrosoftの株価がAI投資の象徴として動くのはわかりやすい。
でも本当においしいのは、AIを「使いこなせる企業」と「使いこなせない企業」の差が業績に出始めたタイミングだ。
その差が市場に織り込まれるのは、おそらくこれから18ヶ月以内だと見ている。

日本株で言えば、AI活用の定着率や社内の運用体制を開示している企業は少ない。
でも決算説明資料や統合報告書を読み込むと、たまに具体的な数値が出てくる。
そこを拾えるかどうかが、テーマ株投資の精度を上げる鍵になる。

今の自分の情報収集フローに、「AI定着率・利用率」というキーワードを追加して企業IR情報を流し見するフィルターを作ってみるつもりだ。
アルゴリズムで拾えるようにスクリーニング条件を組めるか、来週試してみる。

無料相談受付中

AI開発・DX推進についてお気軽にご相談ください。オンライン30分から。

無料相談を申し込む