最近、医療AIのニュースを追っていると、「LiteLLM」という名前をよく見かけるようになった。聞き慣れない名前だと思うが、これはAIの世界では「どのAIモデルとも話せる共通窓口」みたいな役割を果たすソフトウェアだ。
たとえば、問診支援のAIと、カルテ要約のAIと、処方チェックのAIが、それぞれ別会社の製品だとする。それらを一つのシステムで動かそうとすると、普通は接続の手間が会社ごとにかかる。LiteLLMはその「つなぎ役」として機能する。最新バージョン(v1.82.6.rc.2)がリリースされたというのが今回の話の出発点だ。
私が医療AIに関心を持ちながらも慎重な姿勢をとっているのは、結局この一点に尽きる。誰が責任を取るのか、という問題だ。AIが出した情報をもとに診断を誤った場合、それは医師の責任になる。これは今の法制度上、変わらない前提だ。
だから、AIツールを導入するときに私が最初に確認するのは「そのAIがどこの会社のモデルを使っているか」「更新されたとき何が変わったかを把握できるか」という点だ。LiteLLMのようなつなぎ役ソフトが頻繁にアップデートされているということは、裏を返せば「使っているAIの挙動が変わる可能性がある」ということでもある。
バージョンが上がるたびに動作が変わるシステムを医療現場に組み込む場合、その変更履歴を誰かが管理しておく必要がある。クリニックのような小規模な現場では、それを担える人材がいないケースも多い。
とはいえ、事務負担の重さは本当に深刻だ。1日80人の患者を診ながら、レセプトのチェック、問診票の整理、紹介状の作成、スタッフへの指示……これをすべて人力でこなし続けるのは、正直もう限界に近い。
そこで私が今考えているのは、AIを「診断に近い領域」から入れるのではなく、「事務に近い領域」から少しずつ使い始めるという順序だ。たとえば、こんな使い方から始めるのが現実的だと思っている。
この3つに共通するのは、「AIの出力をそのまま使わず、必ず人間が確認する」という設計だ。診断や処方への関与は、まだその先の話でいい。
LiteLLMのようなインフラ層のアップデートが続いているということは、その上に乗るアプリケーションの品質も上がり続けているということでもある。今すぐ飛びつく必要はないが、「どういう仕組みで動いているか」を理解しておくと、ベンダーからの提案を受けるときに騙されにくくなる。
医療AIを「便利そうだから使う」ではなく、「仕組みを理解した上で判断する」という姿勢が、今の時点では最も現実的な向き合い方だと思う。あなたのクリニックでは、AIの導入判断をどこで誰がしているだろうか。
たとえば、問診支援のAIと、カルテ要約のAIと、処方チェックのAIが、それぞれ別会社の製品だとする。それらを一つのシステムで動かそうとすると、普通は接続の手間が会社ごとにかかる。LiteLLMはその「つなぎ役」として機能する。最新バージョン(v1.82.6.rc.2)がリリースされたというのが今回の話の出発点だ。
「安全に使えるか」が先、「便利か」は後
私が医療AIに関心を持ちながらも慎重な姿勢をとっているのは、結局この一点に尽きる。誰が責任を取るのか、という問題だ。AIが出した情報をもとに診断を誤った場合、それは医師の責任になる。これは今の法制度上、変わらない前提だ。
だから、AIツールを導入するときに私が最初に確認するのは「そのAIがどこの会社のモデルを使っているか」「更新されたとき何が変わったかを把握できるか」という点だ。LiteLLMのようなつなぎ役ソフトが頻繁にアップデートされているということは、裏を返せば「使っているAIの挙動が変わる可能性がある」ということでもある。
バージョンが上がるたびに動作が変わるシステムを医療現場に組み込む場合、その変更履歴を誰かが管理しておく必要がある。クリニックのような小規模な現場では、それを担える人材がいないケースも多い。
小さなクリニックでAIを「安全に使う」ための現実的な考え方
とはいえ、事務負担の重さは本当に深刻だ。1日80人の患者を診ながら、レセプトのチェック、問診票の整理、紹介状の作成、スタッフへの指示……これをすべて人力でこなし続けるのは、正直もう限界に近い。
そこで私が今考えているのは、AIを「診断に近い領域」から入れるのではなく、「事務に近い領域」から少しずつ使い始めるという順序だ。たとえば、こんな使い方から始めるのが現実的だと思っている。
- 問診票の自由記載をまとめて電子カルテに転記する補助
- 紹介状の下書き生成(最終確認は必ず医師が行う)
- よくある患者からの電話質問への定型回答案の作成
この3つに共通するのは、「AIの出力をそのまま使わず、必ず人間が確認する」という設計だ。診断や処方への関与は、まだその先の話でいい。
LiteLLMのようなインフラ層のアップデートが続いているということは、その上に乗るアプリケーションの品質も上がり続けているということでもある。今すぐ飛びつく必要はないが、「どういう仕組みで動いているか」を理解しておくと、ベンダーからの提案を受けるときに騙されにくくなる。
医療AIを「便利そうだから使う」ではなく、「仕組みを理解した上で判断する」という姿勢が、今の時点では最も現実的な向き合い方だと思う。あなたのクリニックでは、AIの導入判断をどこで誰がしているだろうか。