AIが社内で定着しない理由、飲食店でも同じだった

中村 恵
中村 恵 40代・ 飲食業・経営者
先日、生成AIの業務活用に関する調査データを読んで、「あ、これうちの話だ」と思った。

Notionが日本のナレッジワーカー1,000人に調査したところ、週1回以上AIを使っている人は64%もいた。半数以上がもう日常的に使っているわけだ。でも「とても満足している」と答えた人はたったの12%。つまり、使ってはいるけど、あんまりしっくりきていない人が大半だということ。

これ、すごく正直な数字だと思った。

「使ってみたけど、それで?」がずっと続いていた



うちでも去年の秋ごろからAIを触り始めた。最初はインスタの投稿文を作らせてみたり、仕込みのレシピをアレンジしてもらったり。でも正直、「すごい!」という感動が一回あった後、なんとなく使わなくなる日が続いた。

あの調査で「出力が凡庸で独自性に欠ける」という不満が上位に入っていたのを見て、まさにそれだと膝を打った。うちのお店の雰囲気とか、常連さんへの言葉の温度感とか、そういうものがAIの文章には出てこない。だから結局、自分で書き直してしまう。

もう一つ「既存ツールと連携していない」という声も多かった。うちはPOSレジのデータをエクセルに落として、そこからシフト調整を考えている。AIにそのデータをそのまま渡せればいいのに、コピペして、整形して、質問文を考えて……という手間が地味にしんどい。

一番の障壁は「スキル不足」、でもそれって何のスキル?



この調査でいちばん印象に残ったのが、AI活用を妨げる要因の1位が「スキル・トレーニング不足」(33%)だったこと。セキュリティ懸念(24%)や予算の問題(19%)よりも上だった。

それを読んで、少し考え込んだ。うちのスタッフに「AI使っていいよ」と言っても、誰も使わない。でもそれは「スマホが使えない」とか「ITが苦手」という話じゃない。何をどう聞けばいいか、何に使えるか、そのイメージがないだけだ。

自分自身も最初はそうだった。「何でも聞いてください」と言われても、何を聞けばいいかわからない。これがたぶん「スキル不足」の正体だと思う。

AIに任せたい業務として一番多かったのが「ドキュメント作成・文章校正」(19%)で、次が「情報管理・検索」(18%)だった。飲食でいえば、これはそのままシフト表の調整メモとか、仕入れ先へのメールとか、採用の求人文句とかに当たる。誰もが「面倒くさいな」と思っている作業だ。

じゃあ自分はどこから変えるか。まずスタッフに「採用の返信文をAIに下書きさせてみて」と一つだけ頼んでみようと思っている。一個だけ。それがうまくいったら、次に進む。

「何でも使っていい」より「これだけやってみて」のほうが、たぶん定着する。来週、そこから始めてみるつもりだ。

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