AIコーディング戦争が激化する今、営業DX担当者は何を見るべきか

石井 雅之
石井 雅之 50代・ 大手製造業・部長
先日、The Vergeの記事を読んでいて、思わず手が止まった。

AIによるコーディング支援の話なのだが、内容が「開発者向けの話」では全然なかった。自分たちの仕事に直結する話として読めてしまった。

記事によると、MicrosoftがGitHub Copilotをリリースしたのは2021年春のことだ。ChatGPTが世に出る18ヶ月も前の話である。当時すでに100万人以上の開発者が試用登録したという。今から思えば、あの時点でAIが「ソフトウェア開発そのものを変える」レースはもう始まっていたわけだ。

「開発者の話」と思って読み飛ばしてはいけない理由



今やOpenAI、Google、Anthropicが本格的にコーディングAI市場に参入している。さらにCursorやWindsurfといった専業ツールまで登場して、競争は激化している。この流れが意味するのは何か。ソフトウェア開発のコストと速度が、根本から変わるということだ。

私が営業DX推進の立場で気になるのはそこだ。「開発スピードが上がる」というのは、ベンダーから出てくる提案の質とスケジュール感が変わるということでもある。半年かかると言われたカスタマイズが、3ヶ月で出てくる時代になるかもしれない。だとすれば、従来の「ベンダー選定の判断基準」も見直しが必要になる。

稟議の説明資料に「AI開発コスト」の視点を入れる



今、部内でDXツールの導入稟議を進めている最中だ。経営陣への説明で毎回ぶつかるのが「費用対効果の根拠が薄い」という指摘だ。

記事の中でこんな表現があった。「開発者は高コスト。製品開発には時間がかかる。そのコストを下げるツールは、どんなソフトウェア会社にとっても売りやすい」という趣旨の一文だ。これは裏を返せば、AIコーディングが普及すれば、外部ベンダーへの開発委託コストが下がる可能性があるということでもある。

つまり「今この投資をしないと、3年後に安くなったシステムを高い金額で買っていたことになる」という説明軸が使えるかもしれない。経営陣は「今なぜ導入するのか」を聞きたがる。その問いへの答えとして、AI開発コスト低下の流れは使えると思った。

もちろん、稟議に盛り込む前にもう少し裏取りが必要だ。「AIで開発が速くなる」と「自社の委託コストが下がる」はイコールではない。ベンダーが値下げするかどうかは別の話だし、品質担保の問題もある。セキュリティ要件との整合も確認が要る。

ただ、流れとして「AIがソフトウェア開発を根底から変えつつある」という事実は、今後のベンダー交渉でも使えるカードになる。相手がAIツールを使っているかどうか、開発体制にどう組み込んでいるかを確認項目に加えるだけでも、提案の見方が変わってくる。

来週、ちょうど社内SEと新システムのRFP作成の打ち合わせがある。そこでベンダー評価項目に「AI開発ツールの活用状況」を加えてみるつもりだ。選定の決め手にはならなくても、相手の開発力を測る一つの指標にはなると思っている。

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