AIが政府公認になった日、フリーランスの私は何を思ったか

林 美里
林 美里 30代・ フリーランスデザイナー
OpenAIのChatGPT EnterpriseとAPIが、FedRAMP Moderateという米国政府のセキュリティ認証を取得した。これ、簡単に言うと「連邦政府機関が安心してOpenAIのAIを使える」というお墨付きをもらったってこと。

ニュースを読んだとき、最初に感じたのは「あ、もうそこまで来たか」という感覚だった。政府レベルのセキュリティ基準をクリアするって、相当ハードルが高い。それをOpenAIが越えたということは、AIはもはや「個人が趣味で使うツール」じゃなくなった、ということだと思う。

「使わないと負ける」の圧力が、また一段上がった気がする



正直に言う。このニュースを読んで、少し焦った。

私はMidjourneyでビジュアルのアイデア出しをしたり、Adobe Fireflyで背景素材を作ったりしている。でも「AIに任せすぎると、自分のデザインじゃなくなる」という感覚は、ずっとある。クライアントに納品したものが、どこか自分のものじゃないような気がするあの感じ。

そこにきて、政府機関まで使うレベルのAIが普及するという話が出てきた。フリーランスのデザイナーが「AIはちょっと…」と言っていられる空気が、どんどん薄くなっていく。

それが焦りの正体だと思う。

でも、政府公認になったからこそ見えてくることもある



FedRAMP Moderateというのは、米国連邦政府機関が使うクラウドサービスに求めるセキュリティの基準だ。医療情報や法執行機関のデータなど、センシティブな情報を扱う環境でも使えるレベルとされている。

この認証を取得したことで、ChatGPT EnterpriseはアメリカのIT部門が正式に稟議を通せるサービスになった。つまり、「個人が勝手に使ってるツール」から「組織として導入を検討するインフラ」へのシフトが起きている。

これを聞いて、私は逆に少し落ち着いた部分もある。

組織が使うレベルになるということは、AIへの期待値が「なんでもすごい」から「使い方次第」に変わっていくということだと思うから。政府機関だって、AIに全部任せるわけじゃない。判断するのは人間で、AIはそのための道具だ。

フリーランスの私が怖かったのは「AIが全部やってくれる世界」だった。でも実際に広がっているのは「AIをどう使いこなすか、という差がつく世界」なのかもしれない。

Midjourneyで出力した100枚の画像から、クライアントの空気感に合う1枚を選べるのは、私の目と経験だ。Adobe Fireflyで素材を作っても、それをどう組み合わせてブランドの世界観を作るかは、ツールには教えられない。

AIが政府公認になったこのタイミングで、改めて自分に問いかけてみようと思っている。「自分にしかできないことって、具体的に何だろう?」と。

答えはまだちゃんと出ていないけど、この問いから逃げないでいることが、今の私には大事な気がする。

あなたはAIが「当たり前のインフラ」になっていく中で、自分の仕事に何を残そうとしているだろうか?

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