AIツールのセキュリティ、顧問先にどう説明する?

佐藤 麻衣
佐藤 麻衣 30代・ 税理士
先日、飲食店を経営している顧問先から「先生、うちでもAI使いたいんですけど、安全なんですかね?」と聞かれた。
この手の相談、最近ほんとうに増えている。

そのとき私がちょうど読んでいたのが、LiteLLMというAI連携ツールのリリースノートだった。
LiteLLMはさまざまなAIモデルをまとめて扱えるオープンソースのプロキシで、GitHubのスター数が44,700を超えている人気ツールだ。

「署名」という仕組みがなぜ大事なのか



そのリリースノートで目を引いたのが、Dockerイメージの署名検証についての記載だった。
LiteLLMは全リリースをcosignというツールで署名していて、コミットハッシュという変更不可能な識別子で検証できる仕組みになっている。
具体的には「0112e53」というコミットハッシュを使って、ダウンロードしたソフトウェアが本物かどうかを確かめられる。

これ、顧問先に説明するとき、私はこう言い換えている。
「食品に産地証明がついているのと同じです」と。
産地不明の食材を仕入れないのと同じように、署名のないソフトウェアを業務に使うのはリスクがある。
その説明をしたら、飲食店の社長さんにすんなり伝わった。

顧問先が「使いたい」と言ってきたときのチェックポイント



クリニックや建設会社の顧問先でも、同じような相談が来ている。
「安全かどうか」を確かめる視点として、私が顧問先に伝えているのはこんなことだ。

  • そのツールはどこが開発していて、更新は続いているか
  • ソースコードが公開されていて、第三者が中身を確認できるか
  • セキュリティ上の問題が見つかったとき、どう対処されているか


LiteLLMの場合、今回のリリースでも「HTTPクライアントの検証方法の修正」や「クラウドプロバイダー認証フィールドへのパラメータ制限の強化」など、セキュリティ関連の修正が複数入っている。
こういった対応の速さや透明性が、ツール選びの判断材料になる。

顧問先は、こういう細かいリリースノートをわざわざ読まない。
だから私が読んで、「このツールは継続的にメンテされている」「問題があればすぐ直している」という事実を噛み砕いて伝える役割がある。

「先生が言うなら安心」の重さ



税理士として「このAIツール、使って大丈夫ですよ」と言うことの責任は、思った以上に重い。
顧問先は私の言葉をかなり信頼して動く。
だからこそ、自分がちゃんと中身を理解した上で話す必要がある。

「スター数が多いから安全」「有名だから大丈夫」は理由にならない。
セキュリティの透明性があるか、問題への対応が記録として残っているか。
そこを確認してから顧問先に勧める、というのが自分のスタンスだ。

顧問先が新しいツールを導入するとき、ぜひ税理士にも一声かけてほしい。
コストや効果だけじゃなく、安全性の面からも一緒に考えることができるから。

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