GoogleのAI経済フォーラムを見て採用戦略を見直した話

木村 俊介
木村 俊介 30代・ スタートアップ創業者
Googleがワシントンで「AI for the Economy Forum」を開いた。そのニュースを読んで、正直ちょっとゾッとした。

Googleは今回のフォーラムで、AIが経済と雇用に与える影響を研究するための投資を発表した。さらに医療従事者の訓練プログラムや、需要の高い分野での見習い制度まで資金を出すという。国レベルで「AI後の労働市場」をどう設計するか、本気で動き始めている。

「AIで仕事が変わる」を他人事にしていた



正直に言うと、自分はこれまで「AIで仕事が奪われる」という話をどこか大企業目線の話だと思っていた。うちみたいな8人のスタートアップには関係ない、と。でもGoogleがJames Manyika(SVP、Research・Labs・Technology & Society)名義で出してきた内容を読んで、見方が変わった。

問題は「仕事がなくなるか」じゃない。「AIを使いこなせる人材を採れるか」の話だ。Googleが政府や研究者向けに情報を整備している裏で、労働市場そのものが静かに再編されている。

採用基準を一つ追加することにした



先月、営業とカスタマーサクセスの採用を同時に進めていた。そこで自分が重視していた基準は「コミュニケーション力」「SaaSの商習慣への理解」あたりだった。AIツールを使えるかどうかは、「使えたらプラス」くらいの位置づけだった。

でも今は違う。採用面接で「ClaudeやGeminiを実務でどう使っているか」を必ず聞くようにした。答えられない人をはじくためではなく、その答えから思考のスピードと柔軟性を測るためだ。ツールへの習熟度より、変化を自分ごとにできるかどうかが知りたい。

Googleの今回の発表が示しているのは、AIリテラシーはもはや個人のオプションじゃないということだ。国が税金を使って再教育に動く、それくらいの規模の話になっている。

投資家への説明でも、最近は「チームのAI習熟度」を意識して話すようにしている。「Claude業務全面導入済み」は事実だが、それだけでは弱い。どう使って、どれだけ生産性が上がっているかを数字で言えるかどうかが問われている。

競合はもう動いている、という前提で考える



先週、同じSaaS領域の知人のCEOと話した。彼のところはすでに採用JDにAIツール経験を必須要件として明記し始めているという。「使えて当たり前の前提で採る」という判断だ。自分はそこまで踏み切っていなかった。

Googleが研究者や政府向けに情報を整備しているということは、向こう2〜3年でAIが経済に与える影響の「エビデンス」が急速に積み上がる。その流れに乗れているチームと乗れていないチームの差は、今よりずっと大きくなるはずだ。

自分は来週の採用面接から、AIツールの活用について深掘りする質問を2問追加するつもりだ。採用基準を変えるだけでいい。コストはゼロで、チームの質は変わる。

無料相談受付中

AI開発・DX推進についてお気軽にご相談ください。オンライン30分から。

無料相談を申し込む