先日、飲食店を経営している顧問先の大塚さんからこんな相談を受けた。「先生、うちの子、AIでなんか作れるらしいんですよ。でも何から始めればいいか全然わからなくて」。お子さんの話かと思ったら、自分の話だった。
ちょうどそのタイミングで、Hakuhodo DY ONEというデジタルマーケティング会社の事例が目に入った。エンジニアではない営業担当の社員が、自動車販売会社向けの動画生成ツールを業務の合間に2日で作ってしまったという話だ。しかもこのツール、見積りページで選んだ車の画像をアップして走行シーンを選ぶだけで、数分後に動画が完成する。クライアントからも高評価で、実装の検討が進んでいるらしい。
読んでいて、正直「そんなこと本当にあるの?」と思った。でも同じ記事に、もっと驚いた事例があった。
同社の島原さんというマーケティングの実務担当者が、「0次AI仮説アプリ」というものを自分で作ったという。デスク調査って、商品を理解して、市場を調べて、顧客を分析して、という流れで進める地道な作業だ。それをChatGPTでやろうとすると、毎回プロンプトを入力して、結果をコピーして、また入力して……という繰り返しになる。それが煩雑で時間がかかっていた。
そこで島原さんが使ったのが「Dify(ディフィ)」というノーコードのAIプラットフォーム。これで一連の調査フローを自動化したところ、300分かかっていた作業が15分で終わるようになったという。20分の1以下だ。この数字、インパクトがありすぎて一瞬メモを見直してしまった。
で、ここで大塚さんの顔が浮かんだ。飲食店の経営者として、毎月の売上分析や客単価の変化を私に共有してくれる。でも私がその数字を見てアドバイスする前に、大塚さん自身がもっと速く仮説を立てられたら、どうなるだろう。「先月は日曜の客足が落ちてる気がする、理由はこういうことかも」という仮説が事前にあったうえで話せたら、打ち合わせの中身がまるで変わる。
これまで、デジタルツールを顧問先に紹介するとき、「操作を覚えてもらう」ことがハードルだった。でも今起きているのは、少し違うフェーズだと思う。作る側に非エンジニアが入ってきている。
たとえばHakuhodo DY ONEの新人研修では、入社したばかりの社員がAIを使ってLINEの投稿文を複数作成している。研修時間の内訳を見ると、生成AIの説明が10分、マーケティングフレームワークの概要説明が4分、グループワークが33分、プレゼンが10分。合計で1時間もかかっていない。それで実務レベルのアウトプットが出てきたというのだから、もはや「AIは特別なスキルが必要」という前提が崩れている。
クリニックを経営している別の顧問先、竹内先生も似たような相談をしてくれたことがある。「患者さん向けの説明文を毎回一から書くのが大変で」という話だった。あの悩みも、今なら違う答えができたかもしれない。
顧問先が「先生、AIで何かできますか?」と聞いてくるとき、その裏には「自分でもやれるのかな」という期待が混じっていることが多い。私はそれを拾えていたか、少し振り返っている。
まず顧問先と次回会うとき、「やりたいけど手が止まっている作業はあるか」を聞いてみるところから始めようと思っている。
ちょうどそのタイミングで、Hakuhodo DY ONEというデジタルマーケティング会社の事例が目に入った。エンジニアではない営業担当の社員が、自動車販売会社向けの動画生成ツールを業務の合間に2日で作ってしまったという話だ。しかもこのツール、見積りページで選んだ車の画像をアップして走行シーンを選ぶだけで、数分後に動画が完成する。クライアントからも高評価で、実装の検討が進んでいるらしい。
読んでいて、正直「そんなこと本当にあるの?」と思った。でも同じ記事に、もっと驚いた事例があった。
300分かかっていた調査が15分で終わった
同社の島原さんというマーケティングの実務担当者が、「0次AI仮説アプリ」というものを自分で作ったという。デスク調査って、商品を理解して、市場を調べて、顧客を分析して、という流れで進める地道な作業だ。それをChatGPTでやろうとすると、毎回プロンプトを入力して、結果をコピーして、また入力して……という繰り返しになる。それが煩雑で時間がかかっていた。
そこで島原さんが使ったのが「Dify(ディフィ)」というノーコードのAIプラットフォーム。これで一連の調査フローを自動化したところ、300分かかっていた作業が15分で終わるようになったという。20分の1以下だ。この数字、インパクトがありすぎて一瞬メモを見直してしまった。
で、ここで大塚さんの顔が浮かんだ。飲食店の経営者として、毎月の売上分析や客単価の変化を私に共有してくれる。でも私がその数字を見てアドバイスする前に、大塚さん自身がもっと速く仮説を立てられたら、どうなるだろう。「先月は日曜の客足が落ちてる気がする、理由はこういうことかも」という仮説が事前にあったうえで話せたら、打ち合わせの中身がまるで変わる。
顧問先が「作る側」に回るとき
これまで、デジタルツールを顧問先に紹介するとき、「操作を覚えてもらう」ことがハードルだった。でも今起きているのは、少し違うフェーズだと思う。作る側に非エンジニアが入ってきている。
たとえばHakuhodo DY ONEの新人研修では、入社したばかりの社員がAIを使ってLINEの投稿文を複数作成している。研修時間の内訳を見ると、生成AIの説明が10分、マーケティングフレームワークの概要説明が4分、グループワークが33分、プレゼンが10分。合計で1時間もかかっていない。それで実務レベルのアウトプットが出てきたというのだから、もはや「AIは特別なスキルが必要」という前提が崩れている。
クリニックを経営している別の顧問先、竹内先生も似たような相談をしてくれたことがある。「患者さん向けの説明文を毎回一から書くのが大変で」という話だった。あの悩みも、今なら違う答えができたかもしれない。
顧問先が「先生、AIで何かできますか?」と聞いてくるとき、その裏には「自分でもやれるのかな」という期待が混じっていることが多い。私はそれを拾えていたか、少し振り返っている。
まず顧問先と次回会うとき、「やりたいけど手が止まっている作業はあるか」を聞いてみるところから始めようと思っている。