AIツールの「使い方ルール」、デザイナーも他人事じゃない

林 美里
林 美里 30代・ フリーランスデザイナー
法務部門が生成AIの導入審査でチェックする論点が7つあるという記事を読んだ。著作権侵害、個人情報保護法、営業秘密の漏洩、ハルシネーション(誤情報生成)による責任問題……。読んでいて「これ、企業の話だけじゃないな」と思った。

フリーランスとして働いていると、法務部なんていない。自分で考えて、自分で判断するしかない。MidjourneyでビジュアルのラフをつくってクライアントにOKをもらうとき、著作権の話を正直に説明したことは何回あっただろう。

「知らなかった」では済まない時代になってきた



記事の中で気になったのが、著作権の「類似性・依拠性」のリスクという論点だ。生成AIが出力した画像が既存の作品に似ていた場合、それを使ったクライアントだけじゃなく、制作者である私にも責任が及ぶ可能性がある。Adobe Fireflyは学習データの権利処理を明示しているという点でまだ安心感があるけど、Midjourneyに関しては商用利用時のリスクについてちゃんと調べたことがなかった、と正直に思った。

記事では法務が「利用規約・セキュリティ仕様の確認」を4ステップの中の最初の段階に置いていた。企業のチェックリストとして書かれた内容なのに、フリーランサーにとってもそのまま刺さる話だった。

「全部任せると自分が消える」の本当の意味



AIツールを使うことへの迷いを「自分が消える」と表現してきた。でもこの記事を読んで、もう少し解像度が上がった気がする。怖いのは、自分のスタイルが薄まることだけじゃない。「自分が何をAIに入力して、何を出力させたか」に無自覚なまま仕事をすることが怖いんだと思う。

クライアントのブランドロゴに関わるイメージ生成をしたとき、私はそのプロンプトに競合他社の名前を入れていないか? クライアントの未公開プロジェクトの話をツールに入力していないか? 営業秘密・機密情報の漏洩リスクという論点を読んで、自分のいつもの作業フローをちゃんと振り返れていなかったことに気づいた。

AIに全部任せると自分が消えるというより、自分の判断が介在しない仕事は自分の仕事じゃない、ということなんだと思う。判断するためには、何が問題になりうるかを知っておかないといけない。

法務の人が読むような記事だからと素通りしなくてよかった。来週、Midjourneyの利用規約と商用利用の条件をもう一度ちゃんと読み直してみるつもりだ。個人事業主という立場でどこまでカバーされているのかを、今度こそ自分の言葉で説明できるようにしておきたい。

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