AI導入「誰が決める問題」、マーケ視点で整理してみた

高橋 沙織
高橋 沙織 20代・ デジタルマーケター
最近、社内でまたAI導入の話が出てきた。でも毎回同じ展開で、会議だけ増えて何も決まらない。「情シスに聞いて」「いや経営判断が先」「法務確認は?」って感じで、気づけば3ヶ月経ってる。

AINOWの記事を読んで、ちょっとスッキリした。あの記事では、経営・現場・情シス・法務を共同主導に束ねる5つの指針と、90日で数字を出す実行計画が解説されていた。マーケ目線で読んで、「あ、これ広告運用の体制設計と同じ構造だ」と思った。

意思決定の遅さって、構造的な問題だった



記事の中で特に刺さったのが、RACI(責任・承認・相談・情報共有)のテンプレートで役割分担を一覧で固める、という考え方。広告運用でも、「誰がクリエイティブ最終承認するの?」って毎回モメる。あの地獄と同じ構造だと気づいた。

AI導入でも結局、意思決定ルートが曖昧なままだと、施策が止まる。私のチームで試しているChatGPTの広告文生成も、「これ本番に使っていいの?」って確認が毎回発生して、結局手戻りになる。承認フローが整備されていないと、AIツールがあっても使いこなせないまま終わる。

記事では、0〜30日を「暫定ルールで走り出す」フェーズと定義していた。完璧なガイドラインを作ってから動くのではなく、まず動いて修正するという順序。これはSNS広告の運用感覚と同じで、「まずテスト配信して数字見てから最適化」と全く同じ発想だと思う。

KPIの設計が、続けられるかどうかを決める



記事で面白かったのが、生産性KPIは「時間短縮と件数で効果額に落とす」という考え方。たとえば「月30本のSNS投稿の下書きをAIに任せて、1本あたり40分削減できれば月20時間の回収」というように、工数を金額換算して見える化する。

この発想、Meta広告のROAS計算と同じ筋肉を使う。私は普段からCPAやインプレッション単価を追っているから、この「削減工数×時間単価」の計算は体に染み付いている。むしろAI導入を評価するフレームとして、ROIで語るのが一番社内に通りやすい。

リスクKPIについては「ゼロを目指さず、検知と是正の速度を測る」と書いてあった。これは正直目からウロコだった。ハルシネーションをゼロにしようとするより、「おかしい出力を何分以内に差し戻せるか」を指標にする方が現実的だし、運用できる。広告の審査落ちを「ゼロにする」より「落ちたとき何時間で対応できるか」を管理するのと同じ感覚。

マーケターが体制設計に関わる理由



この記事、経営向けに書かれているように見えて、実は現場担当者にこそ刺さると思う。なぜなら、AI導入の一番の詰まりどころは「誰が何を決めるか」であって、ツール選定や技術実装ではないから。

私はChatGPTで広告文の下書きを作ったり、コンテンツのSEO構成を出力したりを日常的にやっている。効果は実感している。でも「うちの会社として公式にどこまでOKなの?」という基準がないから、いつも個人の判断で動いてる状態。これって属人化してるだけで、体制とは言えない。

61〜90日のフェーズで「効果を金額・品質・統制で示す」という段階がある。ここが、現場担当者が経営に訴える唯一の言語だと思う。「AIで広告CTRが上がった」ではなく、「月XX時間の削減、広告文の差し戻しがXX%減」という数字で話す。それをやるためにも、最初の体制設計が必要になる。

自分のチームで、まず小さくRACIを作ってみるつもりだ。広告コンテンツへのAI活用を例に、「承認者は誰」「差し戻し基準は何」を一枚紙でまとめる。完璧じゃなくていい。暫定でいいから、決める。そこから始めてみる。

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