先週、Web担当者Forumのまとめ記事を読みました。Similarwebのデータとして「Google検索の68.01%はゼロクリック」という数字が出ていて、少し驚きました。
患者さんが当院を探すとき、どういう経路で来ているか、正直あまり深く考えてきませんでした。予約サイトからが多いだろう、Googleマップで見て来る人もいる、口コミサイトで調べる人もいる。それくらいの認識です。でも「検索した人の7割近くが、検索結果の画面を見たままで別のサイトに飛ばない」というのは、医療機関にとっても他人事ではない話だと感じました。
ゼロクリックというのは、Google検索の画面に表示される情報だけで、ユーザーが疑問を解決してしまう状態です。AI Overviewsや「よくある質問」のスニペットが検索結果に直接表示されるようになって、その割合が増えているようです。
医療情報でいえば、「逆流性食道炎 症状」とか「下痢 受診目安」などを検索する患者さんが、検索結果に出てくるAIの要約を読んで満足してしまう、ということです。それ自体は患者さんにとって手軽でいいのかもしれません。ただ、医学的に正確かどうかは別の話です。
LLMが学習データからアウトプットする情報は、エビデンスの強弱を問わず混在していることがあります。医学論文では「症状の検索と実際の受診行動の関連」についての研究もあり、セルフケアの情報が増えることで受診が遅れるリスクを指摘する声もあります。個人的に気になる問題です。
記事では「インモデル」と「アウトオブモデル」という概念も紹介されていました。LLMがすでに学習している情報(インモデル)と、リアルタイムで検索して参照する情報(アウトオブモデル)の2パターンがあるということです。自院の情報をAI検索に拾わせたければ、コンテンツの書き方や構造を意識する必要があるようです。
うちのクリニックは内科・消化器科で、1日80人ほどの患者さんが来られます。スタッフは12名で、妻が看護師長を務めています。日々の診療でいっぱいいっぱいで、ホームページの更新は後回しになりがちです。電子カルテのSS-MIX対応には時間をかけてきましたが、外向けの情報発信に同じ熱量を注いできたかというと、正直そうではありませんでした。
先日、妻に「最近、問診票に『ネットで調べたら〇〇と書いてあった』と書いてくる患者さんが増えた」と言われました。そのまま受診してくれているうちはいいのですが、誤った情報を信じて受診が遅れるケースが出てくると困ります。初診の患者さんのなかには「ChatGPTで症状を調べて、一度様子を見ていた」という方が実際に何人かいました。
AIが検索結果を要約して表示する流れは、止められません。ならばクリニック側が正確な情報を出し続けることが、患者の安全につながると考えています。
問題は、誰がそれをやるかです。院長の私が論文を確認しながら記事を書くのが最も信頼性は高い。でも時間がない。スタッフに任せると医学的な正確さが担保できない。この板挟みはずっと感じてきました。
そこで最近考えているのは、AIに草稿を作らせて、自分が医学的な観点からチェックして公開するフローです。責任の所在は私に残したまま、作業負担だけを下げる。医療の世界でいう「監修者モデル」に近い考え方です。AIが生成した医療情報に院長が責任を負う形であれば、ある程度のリスクは管理できると思っています。
ゼロクリックの話から始まって、自院の情報発信の仕組みを見直すきっかけになりました。まず来月中に、消化器症状に関するQ&Aページを数本、このやり方で試してみます。
患者さんが当院を探すとき、どういう経路で来ているか、正直あまり深く考えてきませんでした。予約サイトからが多いだろう、Googleマップで見て来る人もいる、口コミサイトで調べる人もいる。それくらいの認識です。でも「検索した人の7割近くが、検索結果の画面を見たままで別のサイトに飛ばない」というのは、医療機関にとっても他人事ではない話だと感じました。
「クリックされない検索」と医療の情報発信
ゼロクリックというのは、Google検索の画面に表示される情報だけで、ユーザーが疑問を解決してしまう状態です。AI Overviewsや「よくある質問」のスニペットが検索結果に直接表示されるようになって、その割合が増えているようです。
医療情報でいえば、「逆流性食道炎 症状」とか「下痢 受診目安」などを検索する患者さんが、検索結果に出てくるAIの要約を読んで満足してしまう、ということです。それ自体は患者さんにとって手軽でいいのかもしれません。ただ、医学的に正確かどうかは別の話です。
LLMが学習データからアウトプットする情報は、エビデンスの強弱を問わず混在していることがあります。医学論文では「症状の検索と実際の受診行動の関連」についての研究もあり、セルフケアの情報が増えることで受診が遅れるリスクを指摘する声もあります。個人的に気になる問題です。
クリニックの情報をどう届けるか
記事では「インモデル」と「アウトオブモデル」という概念も紹介されていました。LLMがすでに学習している情報(インモデル)と、リアルタイムで検索して参照する情報(アウトオブモデル)の2パターンがあるということです。自院の情報をAI検索に拾わせたければ、コンテンツの書き方や構造を意識する必要があるようです。
うちのクリニックは内科・消化器科で、1日80人ほどの患者さんが来られます。スタッフは12名で、妻が看護師長を務めています。日々の診療でいっぱいいっぱいで、ホームページの更新は後回しになりがちです。電子カルテのSS-MIX対応には時間をかけてきましたが、外向けの情報発信に同じ熱量を注いできたかというと、正直そうではありませんでした。
先日、妻に「最近、問診票に『ネットで調べたら〇〇と書いてあった』と書いてくる患者さんが増えた」と言われました。そのまま受診してくれているうちはいいのですが、誤った情報を信じて受診が遅れるケースが出てくると困ります。初診の患者さんのなかには「ChatGPTで症状を調べて、一度様子を見ていた」という方が実際に何人かいました。
医療情報の信頼性と発信者の責任
AIが検索結果を要約して表示する流れは、止められません。ならばクリニック側が正確な情報を出し続けることが、患者の安全につながると考えています。
問題は、誰がそれをやるかです。院長の私が論文を確認しながら記事を書くのが最も信頼性は高い。でも時間がない。スタッフに任せると医学的な正確さが担保できない。この板挟みはずっと感じてきました。
そこで最近考えているのは、AIに草稿を作らせて、自分が医学的な観点からチェックして公開するフローです。責任の所在は私に残したまま、作業負担だけを下げる。医療の世界でいう「監修者モデル」に近い考え方です。AIが生成した医療情報に院長が責任を負う形であれば、ある程度のリスクは管理できると思っています。
ゼロクリックの話から始まって、自院の情報発信の仕組みを見直すきっかけになりました。まず来月中に、消化器症状に関するQ&Aページを数本、このやり方で試してみます。