UiPathが金融・医療・公共部門向けにオンプレミスのAIエージェント機能を提供し始めた、というニュースを読みました。自社環境からデータを一切外に出さずにAIを動かせる、という点が肝で、OpenAIのGPTやAnthropicのClaudeのようなクラウド型LLMを使いながら動作管理は社内で完結させる方式と、オープンソースのモデルをデータセンター内だけで動かす方式の2つが選べるようです。
IT系のニュースなので、最初は「自分には関係ない話かな」と流しそうになりました。でも読み進めるうちに、「あ、これは士業にも刺さる話だ」と気づいたんです。
私の顧問先は現在30社ほどで、業種は製造業・調剤薬局・建設業・飲食チェーンとさまざまです。給与計算を受託している先も複数あります。その仕事で毎月扱うのは、従業員の氏名・住所・給与・家族構成・有給残日数といった、かなり繊細な個人情報です。
数年前、とある飲食チェーンの顧問先から「給与明細のデータをChatGPTに貼り付けて確認作業をしてもいいか」と聞かれました。そのときは「それは絶対にやめてください」とお伝えしました。労働基準法や個人情報保護法の観点はもちろんですが、クラウド上のAIにどう扱われるか不明な状態で従業員情報を渡すのは、就業規則上も問題になりかねません。先方は悪意がなく、純粋に効率化したかっただけなんですが、私自身も「じゃあ安全に使える方法は?」と聞かれたときに、明確な答えを持っていませんでした。
その後も似たような相談は増えています。調剤薬局の顧問先では、勤務シフトの調整にAIを使いたいという話が出ました。薬剤師の勤務記録には特定の国家資格情報も含まれます。「外部に出したくない」という院長の感覚は正しいですし、私もそう思います。ただ、完全に使わないという選択肢も取りにくい時代になってきました。
UiPathの今回の発表が刺さったのは、まさにそこです。データを外に出さずに業務自動化ができるなら、給与計算まわりにも応用できる可能性があります。
私が直接UiPathを使うかどうかはわかりません。でも、この仕組みが広がることで、顧問先が「ローカル完結型のAI」を選べる環境が整ってくるはずです。そうなると、私が「このツールなら使っていいですよ」と判断軸を持って顧問先に伝えられるようになります。今まではどうしても「使う場合はご注意を」という消極的なスタンスになりがちでした。
実は今年の春、製造業の顧問先が新しい労務管理システムを入れ替える際に、私もベンダーとの打ち合わせに同席しました。そのとき担当者が「クラウドかオンプレミスかで迷っている」と言っていた言葉が引っかかっていました。製造業の場合、技術情報と人事情報が同じサーバーで管理されているケースもあります。外部流出リスクへの意識は、想像以上に高い。
士業として顧問先のデータ管理に関わる立場では、「どのツールがどんな仕組みでデータを扱っているか」を把握しておくことが、今後は実務上の責任の一部になっていくと感じています。
とりあえず、今月中に顧問先向けの簡単なQ&Aメモを作ろうと考えています。「AIツールを業務に使うときのデータの扱い方」というテーマで、クラウド型・オンプレミス型・ハイブリッド型の違いを、技術的な話ではなく「個人情報保護の観点からどう使い分けるか」という切り口で整理するつもりです。
就業規則の副業規定を更新したときのように、「法律が変わったから」ではなく「実態が変わってきたから」という理由で動く必要がある。AIまわりのデータ管理はまさにそのフェーズに来ていると思います。
顧問先の担当者が迷ったとき、社労士に相談できる。そういう存在でいるために、自分がまず理解を深めておかないといけません。先月のフルマラソンで30km過ぎに失速したときと同じで、準備不足は本番で必ず出ます。知識も体力も、コツコツ積むしかないですね。
IT系のニュースなので、最初は「自分には関係ない話かな」と流しそうになりました。でも読み進めるうちに、「あ、これは士業にも刺さる話だ」と気づいたんです。
社労士事務所が抱える、情報漏洩への根深い不安
私の顧問先は現在30社ほどで、業種は製造業・調剤薬局・建設業・飲食チェーンとさまざまです。給与計算を受託している先も複数あります。その仕事で毎月扱うのは、従業員の氏名・住所・給与・家族構成・有給残日数といった、かなり繊細な個人情報です。
数年前、とある飲食チェーンの顧問先から「給与明細のデータをChatGPTに貼り付けて確認作業をしてもいいか」と聞かれました。そのときは「それは絶対にやめてください」とお伝えしました。労働基準法や個人情報保護法の観点はもちろんですが、クラウド上のAIにどう扱われるか不明な状態で従業員情報を渡すのは、就業規則上も問題になりかねません。先方は悪意がなく、純粋に効率化したかっただけなんですが、私自身も「じゃあ安全に使える方法は?」と聞かれたときに、明確な答えを持っていませんでした。
その後も似たような相談は増えています。調剤薬局の顧問先では、勤務シフトの調整にAIを使いたいという話が出ました。薬剤師の勤務記録には特定の国家資格情報も含まれます。「外部に出したくない」という院長の感覚は正しいですし、私もそう思います。ただ、完全に使わないという選択肢も取りにくい時代になってきました。
「自社環境で完結する」という選択肢の意味
UiPathの今回の発表が刺さったのは、まさにそこです。データを外に出さずに業務自動化ができるなら、給与計算まわりにも応用できる可能性があります。
私が直接UiPathを使うかどうかはわかりません。でも、この仕組みが広がることで、顧問先が「ローカル完結型のAI」を選べる環境が整ってくるはずです。そうなると、私が「このツールなら使っていいですよ」と判断軸を持って顧問先に伝えられるようになります。今まではどうしても「使う場合はご注意を」という消極的なスタンスになりがちでした。
実は今年の春、製造業の顧問先が新しい労務管理システムを入れ替える際に、私もベンダーとの打ち合わせに同席しました。そのとき担当者が「クラウドかオンプレミスかで迷っている」と言っていた言葉が引っかかっていました。製造業の場合、技術情報と人事情報が同じサーバーで管理されているケースもあります。外部流出リスクへの意識は、想像以上に高い。
士業として顧問先のデータ管理に関わる立場では、「どのツールがどんな仕組みでデータを扱っているか」を把握しておくことが、今後は実務上の責任の一部になっていくと感じています。
私が次にやろうとしていること
とりあえず、今月中に顧問先向けの簡単なQ&Aメモを作ろうと考えています。「AIツールを業務に使うときのデータの扱い方」というテーマで、クラウド型・オンプレミス型・ハイブリッド型の違いを、技術的な話ではなく「個人情報保護の観点からどう使い分けるか」という切り口で整理するつもりです。
就業規則の副業規定を更新したときのように、「法律が変わったから」ではなく「実態が変わってきたから」という理由で動く必要がある。AIまわりのデータ管理はまさにそのフェーズに来ていると思います。
顧問先の担当者が迷ったとき、社労士に相談できる。そういう存在でいるために、自分がまず理解を深めておかないといけません。先月のフルマラソンで30km過ぎに失速したときと同じで、準備不足は本番で必ず出ます。知識も体力も、コツコツ積むしかないですね。