結論から言うと、OpenAIが出した「ロックダウンモード」はうちのような8人規模のスタートアップにとってそこまで急ぎの話ではない。ただ、無視もできない。
OpenAIが6月5日に提供を開始したロックダウンモードは、プロンプトインジェクション攻撃によるデータ流出リスクを下げるためのオプション設定だ。有効にするとWebブラウジングや外部サービスへの接続が制限される。機密データを扱う個人や組織向け、という位置づけ。
正直に言うと、最初に記事を読んで「制約が増えるだけじゃないか」と思った。うちはClaudeをメインに使っているが、ChatGPTも営業資料の下書きや競合調査で使っている。その「使える機能」が軒並み制限される。Deep ResearchもAgent Modeも無効になるとなると、ROIがガクッと下がる。それだと導入する意味がない。
先週、投資家との面談でこんな話が出た。デューデリジェンスのプロセスでAIツールの利用状況を確認するファンドが増えているという。具体的には「どんなデータをどのAIに入力しているか」を聞いてくる。うちはまだシリーズAの手前で、次のラウンドに向けてガバナンス周りを整えておきたいフェーズだ。
となると、社内でAIを使う際のルールがちゃんと言語化されているかどうかは、投資家への説明責任として普通に出てくる話になる。ロックダウンモードという選択肢があること自体を知っておくのと知らないのでは、その説明の厚みが違う。
もう一つ。競合のSaaS数社がエンタープライズ向けのセールスを加速させているという話を、先月の勉強会で聞いた。エンタープライズ企業の担当者は、AIツール利用に対するセキュリティ要件を必ず確認してくる。そこで「ロックダウンモードに対応しています」と言えるかどうかは、PMFを広げる上でじわじわ効いてくる。今すぐではなくても、GTMの選択肢として頭に入れておく価値はある。
今すぐロックダウンモードを全社導入する理由はない。機能制限のデメリットが大きすぎるし、うちのフェーズでそこまでガチガチにセキュリティを固める必要性もまだ薄い。ただ、以下の2点は今月中にやっておこうと思っている。
これだけで投資家向けにも顧客向けにも「うちはちゃんと考えている」という説明ができる。費用ゼロで印象が変わるなら、やらない理由がない。
ちなみに、ロックダウンモードはFree・Go・Plus・Pro・Business・Enterpriseの全プランに展開されたとのことなので、プランによって使えない話ではない。うちのメンバーが個人アカウントでChatGPTを使っている場合、そこから情報が漏れるリスクを本人が意識していない可能性もある。それは来週のミーティングで軽く話しておくつもりだ。
技術の中身より、これがビジネスにどう効くかを考える癖をつけると、こういうニュースの読み方が変わる。ロックダウンモードはセキュリティ機能の話だが、読み方次第で営業ツールにもなる。
OpenAIが6月5日に提供を開始したロックダウンモードは、プロンプトインジェクション攻撃によるデータ流出リスクを下げるためのオプション設定だ。有効にするとWebブラウジングや外部サービスへの接続が制限される。機密データを扱う個人や組織向け、という位置づけ。
正直に言うと、最初に記事を読んで「制約が増えるだけじゃないか」と思った。うちはClaudeをメインに使っているが、ChatGPTも営業資料の下書きや競合調査で使っている。その「使える機能」が軒並み制限される。Deep ResearchもAgent Modeも無効になるとなると、ROIがガクッと下がる。それだと導入する意味がない。
なのに、なぜ気になるのか
先週、投資家との面談でこんな話が出た。デューデリジェンスのプロセスでAIツールの利用状況を確認するファンドが増えているという。具体的には「どんなデータをどのAIに入力しているか」を聞いてくる。うちはまだシリーズAの手前で、次のラウンドに向けてガバナンス周りを整えておきたいフェーズだ。
となると、社内でAIを使う際のルールがちゃんと言語化されているかどうかは、投資家への説明責任として普通に出てくる話になる。ロックダウンモードという選択肢があること自体を知っておくのと知らないのでは、その説明の厚みが違う。
もう一つ。競合のSaaS数社がエンタープライズ向けのセールスを加速させているという話を、先月の勉強会で聞いた。エンタープライズ企業の担当者は、AIツール利用に対するセキュリティ要件を必ず確認してくる。そこで「ロックダウンモードに対応しています」と言えるかどうかは、PMFを広げる上でじわじわ効いてくる。今すぐではなくても、GTMの選択肢として頭に入れておく価値はある。
8人規模のうちがとるべきスタンス
今すぐロックダウンモードを全社導入する理由はない。機能制限のデメリットが大きすぎるし、うちのフェーズでそこまでガチガチにセキュリティを固める必要性もまだ薄い。ただ、以下の2点は今月中にやっておこうと思っている。
- 社内のAI利用ルール(どのデータをどのツールに入力してよいか)を1枚のドキュメントにまとめる
- エンタープライズ向けのセールスデッキにAIセキュリティへの対応方針を1スライド追加する
これだけで投資家向けにも顧客向けにも「うちはちゃんと考えている」という説明ができる。費用ゼロで印象が変わるなら、やらない理由がない。
ちなみに、ロックダウンモードはFree・Go・Plus・Pro・Business・Enterpriseの全プランに展開されたとのことなので、プランによって使えない話ではない。うちのメンバーが個人アカウントでChatGPTを使っている場合、そこから情報が漏れるリスクを本人が意識していない可能性もある。それは来週のミーティングで軽く話しておくつもりだ。
技術の中身より、これがビジネスにどう効くかを考える癖をつけると、こういうニュースの読み方が変わる。ロックダウンモードはセキュリティ機能の話だが、読み方次第で営業ツールにもなる。