先日、旅行の情報収集に関する調査レポートを読んだ。スマホでの宿泊予約行動を追ったもので、生成AIを使って旅行先を調べるユーザーが明らかに増えているという内容だった。読んでいて「あ、これ広告出稿側にも直撃する話だ」と気づいた。
ユーザーの情報収集経路が変わると、広告が刺さるタイミングと場所が丸ごとずれる。旅行領域でそれが起きているなら、自分が担当するクライアントの業種でも遅かれ早かれ同じことが起きる。そう考えて、少し掘り下げて見ることにした。
従来の旅行検索フローはシンプルだった。「沖縄 ホテル おすすめ」でGoogle検索 → 旅行サイトや比較サイトに流入 → そこに表示されるバナーやリスティング広告が接点になる。このフローに最適化してCPAを下げてきたクライアントは多い。
でも生成AIで旅行先やホテルを調べるユーザーは、その最初の検索ステップを省略する。AI回答の中にアフィリエイトリンクや広告枠が入ることもあるが、従来のリスティング広告とは別の話だ。インプレッションそのものが発生する場所が変わる。
GoogleのAI Overviewが検索結果上部を占有するようになってから、オーガニック流入が落ちたという声はSEO界隈でよく聞く。旅行領域はまさにその影響を受けやすいカテゴリだ。宿泊予約サイトのオーガニックCTRが下がれば、その分をリスティングでカバーしようとする動きが出る。結果として入札競争が激化してCPCが上がる。ROASが下がる。このサイクルが静かに始まっている可能性がある。
今回の調査で引っかかったのは、情報収集だけでなく「比較・絞り込み」のフェーズまでAIで済ませるユーザーが増えている、という点だ。従来であれば、比較サイトのページを3〜4個開いてスクロールして、広告も目に入って、そこで認知が生まれていた。
その比較プロセスがAIとの会話の中で終わってしまうなら、ユーザーはほぼ「決めかけた状態」でブランドの公式サイトや予約ページに来る。ファネルでいうと、TOFU・MOFUをすっ飛ばしてBOFUに直接入ってくるイメージだ。
これはCVRが上がりやすい反面、認知・比較段階での広告接触機会がごっそり減ることを意味する。Meta広告でリターゲティングをかけようにも、AIで検索して直接来訪したユーザーはPixelに拾われないまま購買に至ることもある。アトリビューションが取れない購買が増える。
GA4のデータを見ていると、direct流入の比率が微妙に上がっているクライアントが最近2〜3社ある。これが生成AI経由の未計測分なのか、単純なブランド指名検索なのかの切り分けが今の自分には正直できていない。ここはもう少し追いたいポイントだ。
旅行系は直接の担当ではないが、同じ構造は小売やサービス業でも起きる。ユーザーの情報収集経路が多様化するほど、「どこで誰にリーチしたか」の計測精度が下がる。それは広告費の最適化判断をしにくくする。
自分が今やろうとしているのは3点ある。
数字が取れないと話にならないので、まず計測環境の整備からだ。旅行領域の調査が「他人事」に見えなかったのは、自分の数字への危機感と完全にリンクしたからだと思う。ユーザー行動はもう変わっている。広告配信の設定だけ前のままにしておくのは、単純にもったいない。
ユーザーの情報収集経路が変わると、広告が刺さるタイミングと場所が丸ごとずれる。旅行領域でそれが起きているなら、自分が担当するクライアントの業種でも遅かれ早かれ同じことが起きる。そう考えて、少し掘り下げて見ることにした。
検索からAI生成回答へのシフトが広告枠を圧迫する
従来の旅行検索フローはシンプルだった。「沖縄 ホテル おすすめ」でGoogle検索 → 旅行サイトや比較サイトに流入 → そこに表示されるバナーやリスティング広告が接点になる。このフローに最適化してCPAを下げてきたクライアントは多い。
でも生成AIで旅行先やホテルを調べるユーザーは、その最初の検索ステップを省略する。AI回答の中にアフィリエイトリンクや広告枠が入ることもあるが、従来のリスティング広告とは別の話だ。インプレッションそのものが発生する場所が変わる。
GoogleのAI Overviewが検索結果上部を占有するようになってから、オーガニック流入が落ちたという声はSEO界隈でよく聞く。旅行領域はまさにその影響を受けやすいカテゴリだ。宿泊予約サイトのオーガニックCTRが下がれば、その分をリスティングでカバーしようとする動きが出る。結果として入札競争が激化してCPCが上がる。ROASが下がる。このサイクルが静かに始まっている可能性がある。
ユーザーの「検討フェーズ」がAIの中で完結し始めている
今回の調査で引っかかったのは、情報収集だけでなく「比較・絞り込み」のフェーズまでAIで済ませるユーザーが増えている、という点だ。従来であれば、比較サイトのページを3〜4個開いてスクロールして、広告も目に入って、そこで認知が生まれていた。
その比較プロセスがAIとの会話の中で終わってしまうなら、ユーザーはほぼ「決めかけた状態」でブランドの公式サイトや予約ページに来る。ファネルでいうと、TOFU・MOFUをすっ飛ばしてBOFUに直接入ってくるイメージだ。
これはCVRが上がりやすい反面、認知・比較段階での広告接触機会がごっそり減ることを意味する。Meta広告でリターゲティングをかけようにも、AIで検索して直接来訪したユーザーはPixelに拾われないまま購買に至ることもある。アトリビューションが取れない購買が増える。
GA4のデータを見ていると、direct流入の比率が微妙に上がっているクライアントが最近2〜3社ある。これが生成AI経由の未計測分なのか、単純なブランド指名検索なのかの切り分けが今の自分には正直できていない。ここはもう少し追いたいポイントだ。
自分の担当領域で何を変えるか
旅行系は直接の担当ではないが、同じ構造は小売やサービス業でも起きる。ユーザーの情報収集経路が多様化するほど、「どこで誰にリーチしたか」の計測精度が下がる。それは広告費の最適化判断をしにくくする。
自分が今やろうとしているのは3点ある。
- GA4のチャネルグループを細かく再設定して、AI経由っぽい流入を独自に追跡できないか試す
- ChatGPTやPerplexityで自社クライアントの商品名・サービス名を実際に検索して、どう紹介されているか定期チェックする
- BOFU直接流入の増加傾向があるクライアントはクリエイティブのメッセージをリテンション寄りに切り替える提案をする
数字が取れないと話にならないので、まず計測環境の整備からだ。旅行領域の調査が「他人事」に見えなかったのは、自分の数字への危機感と完全にリンクしたからだと思う。ユーザー行動はもう変わっている。広告配信の設定だけ前のままにしておくのは、単純にもったいない。