先月、顧問先の居酒屋を経営している田村社長から、こんな連絡が来ました。「先生、うちのホームページ、ちゃんとGoogleで上位に出てるはずなのに、予約が全然増えないんですよ。どういうことですかね」。
こういう相談、税理士の自分に来るのはおかしいと思われるかもしれません。でも独立して3年が経ち、顧問先の業績改善を一緒に考えていると、集客の話は避けて通れなくなってきました。田村社長の場合も、売上が思うように伸びない背景に、集客コストの問題があると気づいていたので、その流れで話を聞いていました。
そんなタイミングで読んだのが、SimilarwebのデータをSparkToroのランド・フィッシュキン氏が分析した記事です。2026年1月から4月の米国のGoogle検索データで、68.01%がゼロクリック、つまり検索はされているけれどサイトには来ていない、という結果が出ていました。外部サイトへのクリックは検索1,000件あたり213件しかない、という数字にはさすがに驚きました。
しかも、このゼロクリック率は年々上がっています。2016年に45%だったのが、2024年に60.45%、そして2026年には68%超。10年で23ポイントの増加です。背景にはAI Overviewsの普及があります。検索結果にAIの要約が表示されることで、ユーザーがそこで完結してしまい、サイトをクリックする必要がなくなっているのです。
田村社長の「上位に出てるのに予約が増えない」という感覚は、あながち間違っていなかった。検索エンジンの仕組み自体が変わってしまっているんです。
フィッシュキン氏はこの状況を受けて、「SEOの改善だけでは失われたトラフィックを取り戻せない。ゼロクリックマーケティングへ投資を移行すること」と言っています。ゼロクリックマーケティングというのは、ウェブサイトへの流入を前提にせず、SNSやポッドキャスト、コミュニティなど、Googleの外での認知や信頼構築に力を入れる考え方です。
顧問先を眺めてみると、同じような状況はたくさんあります。たとえば板橋区で整体院を営む橋本院長。ホームページはしっかり作ってあるし、Googleマップにも登録済み。でも「新患が来ない」と悩んでいます。整体院の場合、Googleで「肩こり 整体 板橋」と検索したユーザーが、AI要約で解説を読んで満足して終わり、というケースが増えていても不思議ではありません。
もう一社、外壁塗装の二人親方、齋藤工務店さん。Instagramで施工事例を地道に投稿していて、そこからの問い合わせが安定しています。Google検索には頼り切っていないぶん、ゼロクリック問題の影響を受けにくい構造になっている。これは結果的に正解だったと思います。
税理士として月次の数字を見ていると、集客コストと売上のバランスが崩れている会社が少なくありません。SEO業者に月額数万円を払い続けているのに、問い合わせが増えていない、という状況です。そこに「今のSEOは効果が出にくくなっていますよ」と伝えることは、自分の仕事の範囲を超えているかもしれません。でも、売上が上がらない原因が集客にあるなら、そこを無視して財務の話だけするのも違う気がしています。
もちろん自分はマーケターではないので、深く踏み込むわけにはいきません。ただ、「SNSやメルマガなど、Google以外の接点も育てておきませんか」という一言を添えることはできます。田村社長には、常連客向けのLINE公式アカウントを育てることを勧めました。来店してくれたお客さんとの関係を、検索エンジンを経由せずに深める方向です。
ゼロクリックの話を顧問先に伝えるのは簡単ではないのですが、少なくとも「Googleの上位表示だけに頼る集客は、数字を見ていて薄氷の上を歩いているように感じる」という話は、言語化できるようになりました。数字で経営を見ている自分だから伝えられることも、あるのかもしれません。
あなたの会社の集客は、今どの経路に依存していますか。
こういう相談、税理士の自分に来るのはおかしいと思われるかもしれません。でも独立して3年が経ち、顧問先の業績改善を一緒に考えていると、集客の話は避けて通れなくなってきました。田村社長の場合も、売上が思うように伸びない背景に、集客コストの問題があると気づいていたので、その流れで話を聞いていました。
Google検索の68%は、サイトに来ない
そんなタイミングで読んだのが、SimilarwebのデータをSparkToroのランド・フィッシュキン氏が分析した記事です。2026年1月から4月の米国のGoogle検索データで、68.01%がゼロクリック、つまり検索はされているけれどサイトには来ていない、という結果が出ていました。外部サイトへのクリックは検索1,000件あたり213件しかない、という数字にはさすがに驚きました。
しかも、このゼロクリック率は年々上がっています。2016年に45%だったのが、2024年に60.45%、そして2026年には68%超。10年で23ポイントの増加です。背景にはAI Overviewsの普及があります。検索結果にAIの要約が表示されることで、ユーザーがそこで完結してしまい、サイトをクリックする必要がなくなっているのです。
田村社長の「上位に出てるのに予約が増えない」という感覚は、あながち間違っていなかった。検索エンジンの仕組み自体が変わってしまっているんです。
「検索で上位を取ればいい」の時代ではなくなった
フィッシュキン氏はこの状況を受けて、「SEOの改善だけでは失われたトラフィックを取り戻せない。ゼロクリックマーケティングへ投資を移行すること」と言っています。ゼロクリックマーケティングというのは、ウェブサイトへの流入を前提にせず、SNSやポッドキャスト、コミュニティなど、Googleの外での認知や信頼構築に力を入れる考え方です。
顧問先を眺めてみると、同じような状況はたくさんあります。たとえば板橋区で整体院を営む橋本院長。ホームページはしっかり作ってあるし、Googleマップにも登録済み。でも「新患が来ない」と悩んでいます。整体院の場合、Googleで「肩こり 整体 板橋」と検索したユーザーが、AI要約で解説を読んで満足して終わり、というケースが増えていても不思議ではありません。
もう一社、外壁塗装の二人親方、齋藤工務店さん。Instagramで施工事例を地道に投稿していて、そこからの問い合わせが安定しています。Google検索には頼り切っていないぶん、ゼロクリック問題の影響を受けにくい構造になっている。これは結果的に正解だったと思います。
顧問先に「何をやめて、何を始めるか」を伝える難しさ
税理士として月次の数字を見ていると、集客コストと売上のバランスが崩れている会社が少なくありません。SEO業者に月額数万円を払い続けているのに、問い合わせが増えていない、という状況です。そこに「今のSEOは効果が出にくくなっていますよ」と伝えることは、自分の仕事の範囲を超えているかもしれません。でも、売上が上がらない原因が集客にあるなら、そこを無視して財務の話だけするのも違う気がしています。
もちろん自分はマーケターではないので、深く踏み込むわけにはいきません。ただ、「SNSやメルマガなど、Google以外の接点も育てておきませんか」という一言を添えることはできます。田村社長には、常連客向けのLINE公式アカウントを育てることを勧めました。来店してくれたお客さんとの関係を、検索エンジンを経由せずに深める方向です。
ゼロクリックの話を顧問先に伝えるのは簡単ではないのですが、少なくとも「Googleの上位表示だけに頼る集客は、数字を見ていて薄氷の上を歩いているように感じる」という話は、言語化できるようになりました。数字で経営を見ている自分だから伝えられることも、あるのかもしれません。
あなたの会社の集客は、今どの経路に依存していますか。