部下のタスク管理ツールを一本化できるか試してみた話

石井 雅之
石井 雅之 50代・ 大手製造業・部長
営業DX推進の仕事をしていると、部下それぞれが使っているツールの多さに頭を抱えることがあります。うちの部署は25名いて、SalesforceでCRM管理、JiraでIT側との連携、カレンダーはOutlookという構成です。ところが個人のタスク管理は各自バラバラで、手帳・Todoistの無料版・付箋・Excelと、まあ見事に統一感がない。

生産性向上の旗を振る立場として、これをどうにかしたいとずっと感じていました。ツールが分散すると「今日どのタスクに何時間使えるか」が誰にも見えない状態になります。営業の数字は追えても、その裏の工数が不透明なまま、ということです。

Super ProductivityというOSSを部下に触らせてみた



Gigazineの記事でSuper Productivityというオープンソースのタスク管理アプリを知りました。無料で、タイムボックスと時間追跡が標準機能として入っていて、JiraやGitHubからタスクをインポートできるという構成です。うちがJiraを使っているので、これは試してみる価値があると判断しました。

まず自分でWeb版を触ってみました。「Productivity Suite」というモードを選ぶと、タスク追加・時間計測・日次の振り返りがひとつの画面で完結します。1日の終わりに「一日を終える」ボタンを押すと、紙吹雪の演出とともにその日の作業統計が出てくる。正直、ちょっと気に入りました。

部下の一人、30代前半のメンバーに「1週間だけ使ってみてほしい」と依頼しました。彼は普段Jira上のチケットを自分でExcelに転記して優先順位をつけていたので、Jiraからタスクを直接インポートできるなら手間が省けるはずだと思ったんです。1週間後の感想は「Jiraとの連携は思ったより素直に動いた、時間追跡が可視化されて自分がどこに時間を使っているか初めてわかった」というものでした。

全社展開の前に整理しておくべき論点



ただ、部下の個人利用で便利だったからといって、すぐに「全員使いましょう」とはなりません。ここが推進部長という立場の難しいところです。

整理しておくべき点をいくつか挙げると、こんな感じになります。

  • データの保存場所: Web版はブラウザのストレージ、デスクトップ版はローカル。社内のデータガバナンスポリシーとの整合性を確認する必要がある
  • 同期の安定性: SuperSync(専用同期サーバー)は2026年6月時点でβ版扱いで、PCとモバイル間で同期しない事例が報告されている。OneDriveやNextcloud経由の同期が現実的
  • Jiraとの双方向性: JiraのIssueをインポートはできるが、Super Productivity側からJiraのステータスをどこまで更新できるかはJiraの設定次第
  • セキュリティ審査: オープンソースソフトウェアは社内情報セキュリティ部門の承認フローが必要。GASやノーコードツールと同じ扱いになる


とくにセキュリティ審査のフローは、うちの会社だと最低でも1か月はかかります。ベンダーが明確でないOSSは審査の担当者が判断に迷う傾向があるので、申請書の書き方をあらかじめ整えておかないと差し戻しが増えます。過去にSlackの類似ツールを試験導入しようとしたとき、申請書が不十分で2回差し戻しを食らった経験があるので、そこは慎重に構えています。

投資対効果の説明という観点では、Super Productivityは無料なのでコスト面の稟議は不要です。ただ、導入支援・教育コスト・サポート体制のなさを経営陣に説明するには、「無料だから得」ではなく「無料だからこそ内製サポートが必要」という切り口で話す方が通りやすい。そのあたりの資料を来月の部内MTGまでに整理しておくつもりです。

まずはIT部門と情報セキュリティ部門に話を持ち込んで、オープンソースソフトウェアの評価フローがどういう手順なのかを確認するところから始めます。全社展開を急ぐ前に、部内の有志5名程度でパイロット運用を3か月回す形が、いつも通り安全な進め方でしょう。

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