先週、Googleがバージニア州で発表したコミュニティ投資のニュースを読みました。データセンター建設に合わせて、電気技術者の訓練施設に資金を拠出し、2030年までに2,741名の見習い技術者の育成枠を増やすという内容です。さらに500メガワット超の新エネルギー容量にも投資している。規模の大きさに素直に驚きました。
ただ、私が気になったのは規模感よりも別のことです。Googleは「データセンターを建てるから人を育てる」という順番でメッセージを出しています。インフラ投資と人材育成を、切り離さずに一セットで説明している。これを読んだとき、自分が今期作っているDX投資の稟議書のことを思い出しました。
私の部門では、営業支援AIツールの導入と並行して、部下25名へのトレーニング費用も予算申請しています。ツール費用は数字が明快なので通りやすい。問題はトレーニングコストです。「ツールを入れるだけでは定着しない」という主張は現場感覚では当然なのですが、経営陣にとっては「なぜ別途費用がかかるのか」に見えてしまう。
去年、類似の案件で一度稟議を差し戻されました。そのときの指摘は「ツール導入効果とトレーニング効果が分けて測定できない」というものでした。投資対効果を単一の数字で示せないと、承認が難しいという話です。あの差し戻しはなかなか堪えました。
今回のGoogleの発表の書き方は、その点で参考になります。「インフラへの投資が地域雇用を生む」「そのために人を育てる」という流れが、一本の論理でつながっています。ツールと人材をバラバラに語らず、セットで投資対効果を説明している構造です。
先週末、稟議書の骨格を少し書き直しました。変えたのは投資項目の並べ方です。
従来の書き方だと、ツールとトレーニングが別行に並んでいました。経営陣からは「ツールだけじゃダメなの?」という疑問が出やすい構造だったわけです。セットにすることで、「ツールを入れて終わり」という誤解を防ぎやすくなります。
部下の一人、若手の田村が今年4月から営業AIツールの試験運用に加わっています。彼は元々アナログ寄りで、ツールを渡した最初の2週間はほとんど使っていませんでした。3回のトレーニングセッションを経てから、やっと自分の商談管理に組み込み始めた。投資対効果の観点でいえば、トレーニングなしでは田村の変化はなかったはずです。こういうエピソードを稟議書の「定性効果」欄に入れるかどうか、今悩んでいます。数字で語れない部分を入れると稟議が弱くなるという意見も社内にはある。ただ、Googleの発表文も「2,741名」という数字と「地域の雇用を守る」という定性の両方を組み合わせて説明しています。数字だけで勝負しなくていい、という判断の参考にはなりました。
今月末の経営会議に間に合わせるために、来週中に部門長レビューを終わらせる予定です。稟議を通すことが目的ではなく、通った後に現場で実際に機能する仕組みを作ることが目的です。その順番を、書き直した稟議書でちゃんと伝えられるか、もう少し読み直してみます。
ただ、私が気になったのは規模感よりも別のことです。Googleは「データセンターを建てるから人を育てる」という順番でメッセージを出しています。インフラ投資と人材育成を、切り離さずに一セットで説明している。これを読んだとき、自分が今期作っているDX投資の稟議書のことを思い出しました。
経営陣に「なぜ人を育てるのか」を説明する難しさ
私の部門では、営業支援AIツールの導入と並行して、部下25名へのトレーニング費用も予算申請しています。ツール費用は数字が明快なので通りやすい。問題はトレーニングコストです。「ツールを入れるだけでは定着しない」という主張は現場感覚では当然なのですが、経営陣にとっては「なぜ別途費用がかかるのか」に見えてしまう。
去年、類似の案件で一度稟議を差し戻されました。そのときの指摘は「ツール導入効果とトレーニング効果が分けて測定できない」というものでした。投資対効果を単一の数字で示せないと、承認が難しいという話です。あの差し戻しはなかなか堪えました。
今回のGoogleの発表の書き方は、その点で参考になります。「インフラへの投資が地域雇用を生む」「そのために人を育てる」という流れが、一本の論理でつながっています。ツールと人材をバラバラに語らず、セットで投資対効果を説明している構造です。
稟議書の組み立てを変えてみた
先週末、稟議書の骨格を少し書き直しました。変えたのは投資項目の並べ方です。
- ツール導入費用 → 単体で効果測定
- トレーニング費用 → ツール定着率・活用率に紐づけて測定
- 2項目をセットにした「営業DX整備費用」として総額提示
従来の書き方だと、ツールとトレーニングが別行に並んでいました。経営陣からは「ツールだけじゃダメなの?」という疑問が出やすい構造だったわけです。セットにすることで、「ツールを入れて終わり」という誤解を防ぎやすくなります。
部下の一人、若手の田村が今年4月から営業AIツールの試験運用に加わっています。彼は元々アナログ寄りで、ツールを渡した最初の2週間はほとんど使っていませんでした。3回のトレーニングセッションを経てから、やっと自分の商談管理に組み込み始めた。投資対効果の観点でいえば、トレーニングなしでは田村の変化はなかったはずです。こういうエピソードを稟議書の「定性効果」欄に入れるかどうか、今悩んでいます。数字で語れない部分を入れると稟議が弱くなるという意見も社内にはある。ただ、Googleの発表文も「2,741名」という数字と「地域の雇用を守る」という定性の両方を組み合わせて説明しています。数字だけで勝負しなくていい、という判断の参考にはなりました。
今月末の経営会議に間に合わせるために、来週中に部門長レビューを終わらせる予定です。稟議を通すことが目的ではなく、通った後に現場で実際に機能する仕組みを作ることが目的です。その順番を、書き直した稟議書でちゃんと伝えられるか、もう少し読み直してみます。