GoogleがGEO不要と断言。SEOの軸足はどこへ

高橋 沙織
高橋 沙織 20代・ デジタルマーケター
先週、Googleが公式ドキュメントを出した。「GEO・AEO・LLMOといった施策は不要」と明言した内容だ。Web担当者Forumで読んで、正直ちょっと安心した。

ここ半年ほど、社内でも「GEOやらないとまずいんじゃないか」という声が出ていた。クライアントから「生成AI検索向けの施策って何か追加でやる必要ある?」と聞かれるたびに、私も答えに困っていた。界隈でGEO・AEOという言葉が一人歩きしていて、謎のベストプラクティス集みたいなものが出回りまくっていたから、「何か特別なことをしなきゃ乗り遅れる」という空気があった。

Googleが言う「生成AI検索に効くSEO」の中身



Googleが5月19日に公表したドキュメントで示した方向性は、結局「従来のSEOの延長線上でいい」というものだ。E-E-A-T、構造化データ、クロールしやすいサイト構造。目新しい話はほとんどなかった。

ただ、これをどう読み取るかは仕事の立場によって変わると思う。私はSEOよりも広告側が専門で、コンテンツSEOはクライアントのサイト全体戦略として関わる程度だ。だから「施策が増えないで済む」という実務的なメリットのほうが先に頭に来た。余計なコストが発生しない、CPA試算がシンプルになる。ただそれだけの話だが、現場ではかなりでかい。

もう一点、記事で気になったのがP-MAXのアセット別実績レポートの話だ。Google広告スクリプトでアセットのパフォーマンスをスプレッドシートに自動出力するという内容で、これは今すぐ実務に使えるやつだった。うちのP-MAXキャンペーンは、テキスト・画像・動画それぞれのアセットがどれだけCVに貢献しているか、管理画面だけでは細かく追えていない。ROASは出るがアセット単位の数字は手作業でまとめていて、月イチのレポート時にやや時間を食っている。スクリプト化できれば、その作業が消える。

生成AI検索がインプレッションに与えている影響



SEOの話に戻ると、今クライアントのオーガニック流入を見ていると、AI Overviewが出てからクリック率が下がっているサイトは実際にある。インプレッション数は横ばいなのにCTRが落ちる、というパターンだ。「クリックされない時代に選ばれるAI検索のセオリー」という書籍タイトルが今回のまとめ記事に出てきたが、その言葉がわりと刺さる状況にある。

ただ、私がメインで担当している有料広告側では、今のところ影響は限定的だ。Meta広告やTikTok広告はオーガニック検索の変化とは別ラインで動いているし、ROASもここ数か月は安定している。生成AI検索の影響が広告の出稿単価や配信ボリュームに直接響いてくる感じは、今はまだない。

とはいえ、SEOとSNS広告の境界線はじわじわ溶けてきている。TikTok上での検索行動は明らかに増えていて、ハッシュタグ検索やキーワード検索から商品ページに流入するパターンがクライアント側でも増えてきた。TikTokのアルゴリズムがコンテンツのテキスト情報をどう評価するか、という話はSEOとコンテンツ品質の話と無関係ではない。

次に動くこと



今すぐやろうと決めたのは2つだ。

  • P-MAXのアセット別レポートをGoogle広告スクリプトで自動化するテストを来週中に走らせる
  • クライアントへの提案資料にあった「GEO/AEO対応費用」の見積もり項目を削除する根拠として、今回のGoogleドキュメントを明示的に引用する


後者はわりと即効性がある。余分な施策を削ることで提案がシンプルになり、クライアントの意思決定も早くなる。コストを足す提案より、引く提案のほうが通りやすいことは経験上わかっている。

Googleが「GEO不要」と明言したことで、少なくとも私の仕事の一部は整理された。特別なことを追いかけなくて済む、という確認ができた週だった。

あなたの会社でも、謎のGEO対応コストが予算に入っていないか、一度見直してみる価値はある。

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