AIスキルを点数化する会社と、うちの現場

渡辺 浩二
渡辺 浩二 50代・ 建設業・代表取締役
DeNAがAIの使いこなし度を「DARS(ダース)」という指標で社員ひとりひとり評価してるって記事を読んだ。レベル1から5まであって、今一番多いのがレベル3らしい。レベル5は全社で数名だとか。

正直、最初は「なんだこれ、関係ないな」と思った。うちみたいな田舎の土木屋には、DeNAとかいう横文字の会社の話なんか遠すぎる。親父の代から重機動かして道路作ってきた会社に、AIスキルの点数なんて必要か、と。

ただ、読み進めていくうちに妙に引っかかってきたことがある。

評価より「誰がやるか」が先の問題だった



DeNAはAI活用推進担当を1名立てて、グループ全体のスキルを引き上げようとしている。情報収集から優先度つけまでAIにやらせて、人間は判断と議論に集中する設計にしてると書いてあった。

それを読んで、うちの話をした。先月、長男と飯を食いながら建設DXの補助金の話をしていたときのことだ。「誰かひとり、そっち専任にしないと何も進まない」と息子が言った。ごもっともだと思いながら、じゃあ誰をそこに充てるんだという話になって、結局うやむやになった。

従業員45名、そのうち現場に出てる職人が30名以上いる。残りの事務方も経理・営業・施工管理で手一杯だ。2024年問題で時間外が削られて、逆に人手はもっと足りなくなっている。「専任を立てる」なんて話は絵に描いた餅だろ、と思っていた。

でも、DeNAの記事を見ると、AIを入れた結果として生産性が「2倍以上」になったという数字が出ていた。専任を立てるのは、余裕があるからではなく、余裕を作るためにやるんだと書いてある。そこで少し見方が変わった。

レベル評価より、まず1枚のリストを作る話



記事の中で、GeminiやClaudeを「用途に合わせて使い分ける」という説明があった。うちの業務に置き換えてみると、どうなるか。

  • 施工日報の記録・整理
  • 下請け業者への連絡文の下書き
  • 補助金申請書類の下書き補助
  • 安全書類のチェックリスト作成


このくらいは、AI使えば今すぐできそうだと息子は言う。自分にはよくわからないが、やってみろとは言える。

実際、近隣の工務店仲間が先月、現場の写真をAIに読み込ませて日報を半自動で作るようにしたと話していた。ベテランの職人がスマホで写真を撮るだけで、ほぼ書類ができるらしい。その仲間の会社は従業員20名で、うちより規模が小さい。「うちみたいな会社には無理」という言い訳はもう通じなくなってきた。

DARSみたいな仰々しいスコアはうちには要らない。ただ、誰が何をどこまでやれるか、社内で棚卸しする機会は確かになかった。IT担当なんて肩書きはないが、息子が事実上そういう役を担っている。その息子が「できること」の一覧を紙一枚に書き出してみるだけでも、話が変わってくるかもしれない。

今週末、ゴルフの前に30分だけ時間を作って、息子と話してみようと思っている。スコアカードより先に、やれることのリストを一枚作ってみる。

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