先週、OpenAIのブログを読んでいて、少し意外な記事を見つけました。Oracleのクラウドコミットメントを使ってOpenAIのモデルやCodexにアクセスできる、という発表です。既存のOracle Cloud契約の枠内でAIを使えるようにする、という内容でした。
うちの会社はOracle製品をそれなりに使っています。ERPの基幹部分でお世話になっていますし、Oracle Cloudへの移行も数年前から少しずつ進めています。そういう背景もあって、この記事は他人事では読めませんでした。
部内でAIツールの話が出るたびに、最初に躓くのがセキュリティです。情報システム部門から「データの取り扱いはどうなっているか」「社外に情報が出るのではないか」という質問が必ず来ます。これはうちに限った話ではないと思いますが、製造業という業種柄、設計情報や顧客情報を扱う場面が多い。外部のAPIに投げる行為そのものに、リスクを感じる方が社内に多いのも事実です。
その点で、今回の発表は少し文脈が違います。Oracle Cloudという既存の契約・ガバナンス・セキュリティ基盤の上でOpenAIのモデルを使う構成になっている。ゼロから新しいベンダーと契約するのではなく、すでに社内で承認済みの仕組みを延長する形です。
これは稟議を通す側の立場から見ると、かなり意味のある違いです。
新しいSaaSツールを入れようとすると、情報セキュリティ審査・個人情報影響評価・ベンダー評価・契約審査と、四つ五つのプロセスを順番に通さなければなりません。早くて3ヶ月、複雑な案件だと半年以上かかることもあります。
昨年も、部下が現場の営業支援に使いたいと提案してきたAIツールが、審査の途中で情報システム部門に止められた経緯があります。ツール自体の品質の問題ではなく、ベンダーのセキュリティ認証の取得状況が社内基準を満たしていなかった、というだけの理由でした。現場の担当者たちはかなり落胆していました。
Oracle経由という構成であれば、少なくともOracleとの契約関係・セキュリティ要件については既に社内で整理が終わっています。そこに乗っかる形でOpenAIのモデルを使う、という説明は、経営陣や情報システム部門に対してずいぶん通しやすい話になります。
投資対効果の説明という面でも、Oracle Cloudへのコミットメント(利用契約上の最低消費額)を消化する形で使えるとすれば、予算的な着地も描きやすい。追加の新規予算を取りに行く必要がなくなる可能性があります。
この手の話を部内で進めるとき、私が意識しているのは「まず数人に使わせてみる」という段階を必ず挟むことです。25人の部下全員に一気に展開しようとすると、現場の温度差で必ずどこかが失速します。
今の部内では、ベテランの営業担当が新しいツールに慎重で、若手の担当者が試したがっているという傾向があります。この構図はどこの会社でも似たようなものかもしれませんが、ベテランの慎重さにもそれなりの根拠はあります。
なので、まず3名程度の希望者にパイロット利用させて、2ヶ月後に結果を経営会議でレポートする、という流れが現実的です。具体的な業務効果(提案書の作成時間がどう変わったか、など)を数字で出せれば、その後の本格展開への稟議も通りやすくなります。
OracleとOpenAIの連携という構成が実際どこまで実用的なのか、まだ詳細を確認できていません。まずは情報システム部門と一緒にアーキテクチャを確認するところから始めようと思っています。ベンダーからの提案を待つより、こちらから論点を整理して持ち込んだほうが話が早い。それは過去の経験から学んだことです。
うちの会社はOracle製品をそれなりに使っています。ERPの基幹部分でお世話になっていますし、Oracle Cloudへの移行も数年前から少しずつ進めています。そういう背景もあって、この記事は他人事では読めませんでした。
セキュリティ要件をどうクリアするか、がいつも最初の壁になる
部内でAIツールの話が出るたびに、最初に躓くのがセキュリティです。情報システム部門から「データの取り扱いはどうなっているか」「社外に情報が出るのではないか」という質問が必ず来ます。これはうちに限った話ではないと思いますが、製造業という業種柄、設計情報や顧客情報を扱う場面が多い。外部のAPIに投げる行為そのものに、リスクを感じる方が社内に多いのも事実です。
その点で、今回の発表は少し文脈が違います。Oracle Cloudという既存の契約・ガバナンス・セキュリティ基盤の上でOpenAIのモデルを使う構成になっている。ゼロから新しいベンダーと契約するのではなく、すでに社内で承認済みの仕組みを延長する形です。
これは稟議を通す側の立場から見ると、かなり意味のある違いです。
「既存契約の延長」という稟議の通しやすさ
新しいSaaSツールを入れようとすると、情報セキュリティ審査・個人情報影響評価・ベンダー評価・契約審査と、四つ五つのプロセスを順番に通さなければなりません。早くて3ヶ月、複雑な案件だと半年以上かかることもあります。
昨年も、部下が現場の営業支援に使いたいと提案してきたAIツールが、審査の途中で情報システム部門に止められた経緯があります。ツール自体の品質の問題ではなく、ベンダーのセキュリティ認証の取得状況が社内基準を満たしていなかった、というだけの理由でした。現場の担当者たちはかなり落胆していました。
Oracle経由という構成であれば、少なくともOracleとの契約関係・セキュリティ要件については既に社内で整理が終わっています。そこに乗っかる形でOpenAIのモデルを使う、という説明は、経営陣や情報システム部門に対してずいぶん通しやすい話になります。
投資対効果の説明という面でも、Oracle Cloudへのコミットメント(利用契約上の最低消費額)を消化する形で使えるとすれば、予算的な着地も描きやすい。追加の新規予算を取りに行く必要がなくなる可能性があります。
部下への展開をどう設計するか
この手の話を部内で進めるとき、私が意識しているのは「まず数人に使わせてみる」という段階を必ず挟むことです。25人の部下全員に一気に展開しようとすると、現場の温度差で必ずどこかが失速します。
今の部内では、ベテランの営業担当が新しいツールに慎重で、若手の担当者が試したがっているという傾向があります。この構図はどこの会社でも似たようなものかもしれませんが、ベテランの慎重さにもそれなりの根拠はあります。
なので、まず3名程度の希望者にパイロット利用させて、2ヶ月後に結果を経営会議でレポートする、という流れが現実的です。具体的な業務効果(提案書の作成時間がどう変わったか、など)を数字で出せれば、その後の本格展開への稟議も通りやすくなります。
OracleとOpenAIの連携という構成が実際どこまで実用的なのか、まだ詳細を確認できていません。まずは情報システム部門と一緒にアーキテクチャを確認するところから始めようと思っています。ベンダーからの提案を待つより、こちらから論点を整理して持ち込んだほうが話が早い。それは過去の経験から学んだことです。