営業DX推進部というのは、ツールを使いこなす側でもあれば、ツールを評価してリコメンドする側でもあります。部下25名それぞれが自分なりのメモ管理をしていて、情報共有の粒度がバラバラなのは以前からの悩みです。OneNoteを使っている人間がいれば、Notionに書いている人間もいる。共有フォルダに直接Wordファイルを置いている人間も、まだいます。
そんな状況で、Gigazineの記事に「Files.md」というツールが紹介されていたのを読みました。ObsidianのようなMarkdownノートを、ブラウザだけで動かせるというものです。PWAとして無料で使えて、GoogleドライブやOneDriveのフォルダを同期先に指定できる。セルフホストにも対応していて、Dockerで起動できると書いてありました。
記事の冒頭に刺さる指摘がありました。Obsidianを使い込むほど、プラグインや自動化ワークフローの管理が増えていき、ノート整理自体が目的化してしまうという話です。これ、部下の一人がまさにそうでした。
デジタル業務改善を担当している30代前半の部員で、Obsidianを導入して半年ほど経ちます。先日の週次MTGで「最近どう?」と聞いたら、「プラグインの設定を見直していました」という答えが返ってきた。商談メモの蓄積よりも、システム整備に時間が流れていたわけです。本人は悪意なくやっているのですが、投資対効果という観点からすると少し首を傾けたくなります。
Files.mdが意図的に機能を絞っているという設計思想は、そういう問題への一つの回答に見えました。ブラウザで動いてローカルフォルダに保存し、クラウドで同期するだけ。チャット風にメモを素早く打ち込んで、後から整理する「To File」機能もある。余計なプラグイン管理が発生しない設計です。
個人利用として試すなら話は早いのですが、部下に横展開するとなると、社内のセキュリティ要件が壁になります。うちの会社では、外部クラウドサービスとのデータ連携は原則として情報システム部門の審査が必要です。GoogleドライブやOneDriveを同期先にするケースも、会社契約かどうかで取り扱いが変わります。
Files.mdはオープンソースで、Dockerでセルフホストできます。これは社内展開を検討するうえでポジティブな要素です。自社管理のサーバー上に立てれば、データが外部に出ない。そのうえでGitHubのリポジトリ(zakirullin/files.md)も公開されているので、コードレビューを情報システム部門に依頼することもできます。稟議書に「オープンソース・自社ホスト・外部送信なし」と書ける点は、経営陣への説明としてかなり通りやすい。
一方で、Hacker NewsでFiles.mdが議論されていたなかに「まだモバイルではあまり十分にテストされていない」という作者自身のコメントがありました。外回りの営業担当がスマートフォンで使うシーンが多い組織では、ここは正直に課題として添えておく必要があります。稟議書でメリットだけを並べると、後で経営陣から「モバイル対応はどうなんだ」と聞かれたときに苦しくなる。弱点を先に押さえておくのが、社内調整では正解です。
現段階では、部下への展開を決めるよりも先に、自分で使い続けることが先決だと判断しています。ベンダー提案の評価でも同じことを言うのですが、実際に現場で使わずに評価できるものは何もありません。
私自身、商談後のメモをチャット風に素早く書き留めて、後からMarkdownファイルに整理するという使い方を試してみるつもりです。同期先はとりあえずOneDrive(会社契約)に設定して、PCとiPadで引き継げるか確認します。3週間ほど実務で回してみて、業務フローに合うかどうかを体感したうえで、部下への展開可否を判断する。それが稟議書を作るより先にやるべきことです。
週末にゴルフの打ち合わせで使ったメモツールの話を取引先の方としていたとき、「結局シンプルなものが長続きする」という話が出ました。確かにそうで、機能が多すぎるツールは使いこなせる人間と使いこなせない人間の差が大きくなる。25名の部下全員が同じ水準で使えるツールを選ぶためには、シンプルさは軽視できない評価軸です。
機能を削ぎ落とすことを「設計思想」として打ち出しているツールを、久しぶりに見た気がします。3週間後の自分がどう評価しているか、それ次第で次のステップを考えます。
そんな状況で、Gigazineの記事に「Files.md」というツールが紹介されていたのを読みました。ObsidianのようなMarkdownノートを、ブラウザだけで動かせるというものです。PWAとして無料で使えて、GoogleドライブやOneDriveのフォルダを同期先に指定できる。セルフホストにも対応していて、Dockerで起動できると書いてありました。
「ツール管理がゴール」になっていないか
記事の冒頭に刺さる指摘がありました。Obsidianを使い込むほど、プラグインや自動化ワークフローの管理が増えていき、ノート整理自体が目的化してしまうという話です。これ、部下の一人がまさにそうでした。
デジタル業務改善を担当している30代前半の部員で、Obsidianを導入して半年ほど経ちます。先日の週次MTGで「最近どう?」と聞いたら、「プラグインの設定を見直していました」という答えが返ってきた。商談メモの蓄積よりも、システム整備に時間が流れていたわけです。本人は悪意なくやっているのですが、投資対効果という観点からすると少し首を傾けたくなります。
Files.mdが意図的に機能を絞っているという設計思想は、そういう問題への一つの回答に見えました。ブラウザで動いてローカルフォルダに保存し、クラウドで同期するだけ。チャット風にメモを素早く打ち込んで、後から整理する「To File」機能もある。余計なプラグイン管理が発生しない設計です。
社内展開を考えるとセキュリティ要件が先に来る
個人利用として試すなら話は早いのですが、部下に横展開するとなると、社内のセキュリティ要件が壁になります。うちの会社では、外部クラウドサービスとのデータ連携は原則として情報システム部門の審査が必要です。GoogleドライブやOneDriveを同期先にするケースも、会社契約かどうかで取り扱いが変わります。
Files.mdはオープンソースで、Dockerでセルフホストできます。これは社内展開を検討するうえでポジティブな要素です。自社管理のサーバー上に立てれば、データが外部に出ない。そのうえでGitHubのリポジトリ(zakirullin/files.md)も公開されているので、コードレビューを情報システム部門に依頼することもできます。稟議書に「オープンソース・自社ホスト・外部送信なし」と書ける点は、経営陣への説明としてかなり通りやすい。
一方で、Hacker NewsでFiles.mdが議論されていたなかに「まだモバイルではあまり十分にテストされていない」という作者自身のコメントがありました。外回りの営業担当がスマートフォンで使うシーンが多い組織では、ここは正直に課題として添えておく必要があります。稟議書でメリットだけを並べると、後で経営陣から「モバイル対応はどうなんだ」と聞かれたときに苦しくなる。弱点を先に押さえておくのが、社内調整では正解です。
まず自分が3週間使ってみる
現段階では、部下への展開を決めるよりも先に、自分で使い続けることが先決だと判断しています。ベンダー提案の評価でも同じことを言うのですが、実際に現場で使わずに評価できるものは何もありません。
私自身、商談後のメモをチャット風に素早く書き留めて、後からMarkdownファイルに整理するという使い方を試してみるつもりです。同期先はとりあえずOneDrive(会社契約)に設定して、PCとiPadで引き継げるか確認します。3週間ほど実務で回してみて、業務フローに合うかどうかを体感したうえで、部下への展開可否を判断する。それが稟議書を作るより先にやるべきことです。
週末にゴルフの打ち合わせで使ったメモツールの話を取引先の方としていたとき、「結局シンプルなものが長続きする」という話が出ました。確かにそうで、機能が多すぎるツールは使いこなせる人間と使いこなせない人間の差が大きくなる。25名の部下全員が同じ水準で使えるツールを選ぶためには、シンプルさは軽視できない評価軸です。
機能を削ぎ落とすことを「設計思想」として打ち出しているツールを、久しぶりに見た気がします。3週間後の自分がどう評価しているか、それ次第で次のステップを考えます。