システム連携の話、顧問先に説明できますか

佐藤 麻衣
佐藤 麻衣 30代・ 税理士
先月、顧問先の建設会社の社長から「先生、うちそろそろシステムをまとめたいんですが」と相談を受けました。従業員45名、現場監督が10人以上いる会社です。勤怠はクラウド、見積はExcel、請求はfreee、という状態で、データがバラバラに存在していました。

「つないだだけ」では終わらない話



そんな背景があって、アステリアとパナソニックデジタルが「ServiceNowアダプター」を5月29日から提供開始したというニュースを読みました。ASTERIA Warpというデータ連携ミドルウェアが、ServiceNowというクラウド型AIプラットフォームとノーコードで連携できるようになった、という話です。ASTERIA Warpはすでに1万社超の企業に導入されているツールで、100種類以上のサービスと接続できます。

このニュース自体は大企業向けの話です。IT資産管理やトラブル対応状況、従業員情報を全社横断で動かすワークフローを作る、という用途が想定されています。顧問先の建設会社にそのまま当てはまるものではありません。

でも、読んでいて思ったのは「システムをつなぐという発想が、中小企業にも絶対に必要になる」ということです。今まではシステム間の連携は個別開発が必要で、専門的な知識と工数が要りました。だからこそ中小企業は諦めてきた。それが変わりつつある、という話として読みました。

顧問先がシステムをつなごうとするとき



先ほどの建設会社の話に戻ると、社長が言いたいのは「入力を1回にしたい」ということでした。現場の進捗データを入力すると、請求書にも、原価管理にも反映してほしい。それだけです。シンプルな要望です。

でも実現しようとすると、複数のシステムをつなぐ設計が必要で、ITベンダーに頼むと見積もりが100万円を超えてきます。そこで止まってしまうことが多い。私が関わる15社のうち、システム連携を実現できているのは正直3〜4社くらいです。残りはExcelや手入力でつないでいる状態です。

今回のニュースで「ノーコード連携」という言葉が繰り返し出てきました。プログラミング知識がなくても接続できて、導入後の変更にも柔軟に対応できる。この部分は中小企業にとっても意味のある変化です。ツール自体がすぐ使えるかはともかく、こういう方向にITが動いているという感覚を持っておくことは大事だと思っています。

「先生どれを選べばいいですか」に答える準備



飲食の顧問先からも似た相談が来ています。4店舗を展開しているオーナーで、POSレジ、予約システム、会計ソフトが全部別々です。月次の数字を合わせるのに毎回2〜3時間かかる、と言っていました。

こういうとき、私が「システムをつなぐといいですよ」と言うだけでは何の役にも立ちません。どのツールを選んで、何と何をつなぐのか、費用感はどれくらいか。その具体的なイメージを持っていないと、アドバイスにならない。

税理士として数字を見ているからこそ、「どこに無駄な時間とお金が発生しているか」は見えています。でも「どう解消するか」の引き出しをもっと増やさないと、顧問先が困ったときに頼りにならない。

ノーコード連携がどこまで中小企業にとって現実的な選択肢になるか、この建設会社の案件を通じて自分でも少し調べてみるつもりです。顧問料の根拠は数字だけではないと、最近よく感じます。

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