ChatGPTに広告が入る時代、営業DXの予算説明はどう変わるか

石井 雅之
石井 雅之 50代・ 大手製造業・部長
OpenAIがChatGPTへの広告出稿の仕組みを本格的に整備し始めた。セルフサーブ型の広告管理ツール「Ads Manager」のベータ版を公開し、クリック単価(CPC)入札方式も導入するという話を読んで、正直しばらく頭の中でぐるぐると考えてしまった。

AIツールの中に広告が入ってくる。これは、私が営業現場でDXを推進している立場からすると、単なる「OpenAIのビジネスモデルの話」では済まない。

広告が入ったChatGPTを、部下に使わせ続けていいのか



今、自部門では営業支援ツールとしてChatGPTを使っている場面がある。提案書のたたき台作成、競合比較の整理、メールの文章調整といった用途だ。部下25人がそれぞれ自分のやり方で使い始めていて、生産性への貢献は体感できている。

ただ、今回のOpenAIの発表で気になったのは「広告はあくまで会話とは切り離して表示する設計」という点だ。プライバシーへの配慮も強調されている。でも「設計としては分離している」と「実際に業務上問題ない」は、社内的には別の話になる。

経営陣や情報システム部門に「ChatGPTを営業で使っています」と説明するとき、「広告表示機能が追加されました」という事実が加わると、また一段階ハードルが上がる気がする。特にセキュリティや情報漏洩を気にする層には、広告がある=外部との接点が増える、という連想が働きやすい。

稟議の場でどう説明するか、シナリオを考えた



自分がいま頭の中で整理しているのは、こういうことだ。

「無料・個人利用のChatGPTに広告が入るのと、法人契約のChatGPT Teamや Enterpriseに広告が入るのは別の話である」という切り分けが、説明の軸になる。今回のAds Managerはあくまで一般ユーザー向けのプロダクト周辺の話で、企業向けプランへの影響は現時点で明確ではない。

ただそれを社内で説明するには、自分がちゃんと仕様を把握していないといけない。「広告は入らない契約プランを使っている」と言い切れる根拠を、ベンダーから文書で取るか、公式の利用規約で確認するか、どちらかが必要になる。

稟議を通す場面で一番まずいのは、後から「そういえばあのツール、広告入ってましたよね」と指摘されることだ。先手を打って「この点は確認済みです」という状態にしておく必要がある。

ベンダー評価の視点が一つ増えた



今回の話で気づいたのは、AIツールの選定基準に「収益化モデルの透明性」を加えておく必要があるということだ。OpenAIがCPC入札形式の広告を導入するということは、今後AIが回答する内容に広告主の意図が絡む可能性についても、少なくとも問いとして持っておくべきだと思う。

OpenAI自身は「会話と広告は分離する」と言っている。ただ、その設計がどう実装されているかは、使う側が継続的に確認し続けるしかない。ベンダーを信頼することと、仕様を定期的に見直すことは、両立させないといけない。

今回の件で、自分は来週の部内定例で「現在使っているChatGPTのプランが法人契約かどうか」を改めて確認してみるつもりだ。当たり前のことのようで、案外「誰かがどこかで契約している」状態になっているケースは多い。そこを整理するだけでも、次の稟議説明がだいぶ楽になる。

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