Google I/O 2026のダイアローグズステージのまとめ記事を読みました。正直、ここ数年はこういったカンファレンスの動向をウォッチしながら「うちの会社に使えるか」という目線で拾い読みしている感じです。
その中で一番引っかかったのが、AIエージェントのセッションでした。GoogleのJosh Woodward、Jeff Deanらが登壇して「プロアクティブなAIエージェントが生産性をどう変えるか」を語ったという内容です。プロアクティブ、という言葉の重さを、営業DX推進という立場でじっくり考えさせられました。
今うちの部署では、Geminiを含むいくつかのAIツールを試験導入しています。部下25名のうち、日常業務で使いこなしているのは正直6〜7名程度です。多くの人はまだ「質問に答えてもらうツール」として使っていて、エージェントとして自律的に動かすという発想がない。
今年の1月に自分でいくつかのタスクを実際にエージェント的に動かしてみたとき、そのギャップに気づきました。商談後のフォローメール作成から、CRMへの入力補助、翌日アポのリマインド整理まで、一連の流れを半自動化すると1件あたり30分ほどかかっていた後処理が10分以下に縮みました。これを全員がやれるようになれば、チーム全体で月に数百時間の工数が浮く計算になります。
ただ、その前提として社内のデータをどこまでAIに触れさせるかというセキュリティ要件の壁があります。情報システム部門からは「顧客データを外部LLMに送るな」という方針が出ていて、これは当然の判断です。だからこそベンダー選定では、データの扱い方と契約上の保護条項を先に確認するようにしています。
今年の後半に向けて、AIエージェント導入の本格稟議を通す準備をしています。Google I/Oで示された方向性は、自分が準備している投資対効果の説明と一致している部分が多く、外部の根拠として使えます。Demis Hassabisが科学的問題解決におけるAIの役割を語ったセッションも、「精度と信頼性」というポイントで経営陣に見せたい内容でした。
稟議書では数字を出すことを必ず求められます。うちの経営陣は「何人月が削減されるのか」「それは本当に人件費削減につながるのか」という議論をしたがります。エージェント導入で生まれた余力が別の業務に再配置されるだけでは、コスト削減の話にはならないという指摘は、正しいと思っています。だから「工数削減」ではなく「商談数の増加」という成果指標に変換して書く方針にしました。
先週、部下の一人に試算を頼んだのですが、エージェントで後処理時間を減らした場合、1人あたり月に4件程度の商談が追加でできる余地が生まれる見込みです。25名で計算すると月100件規模の商談増加ポテンシャルになります。もちろんこれは最大値の想定であり、稟議書にはそのまま書きません。保守的に見積もって50件前後を目線に持ち、経営陣に「現実的に何が変わるか」を見せる形にするつもりです。
Google I/Oのような大きな場でAIエージェントの話が堂々と語られるようになったことは、稟議の文脈では追い風です。「グローバルの主要なテクノロジー企業が既にここに投資しています」という一文が、経営陣の慎重な反応を少し和らげてくれることがあります。
現在比較検討しているベンダーは3社です。Googleのエコシステムで動くもの、Microsoft系のもの、そして国内ベンダーのものを並べています。セキュリティ要件と価格だけで判断するのではなく、「うちの情報システム部門が運用できるか」「サポート体制が日本語で受けられるか」という実務的な観点を評価シートに加えています。
Google I/Oのロボティクスセッションで、Boston DynamicsのAlberto Rodriguezが「embodied physical AI」の進化を語っていたのは製造業として他人事ではありませんでした。直接の業務課題ではないですが、うちの工場側の部門長に読ませてみようと思っています。ものづくりの現場がAIエージェントとどう接続されていくか、営業DXとは別の文脈で議論が出てきそうな予感がします。
稟議を通すことがゴールではないので、通した後に部下が使いこなせる状態をどう作るかが、今の自分の一番大きな宿題です。
その中で一番引っかかったのが、AIエージェントのセッションでした。GoogleのJosh Woodward、Jeff Deanらが登壇して「プロアクティブなAIエージェントが生産性をどう変えるか」を語ったという内容です。プロアクティブ、という言葉の重さを、営業DX推進という立場でじっくり考えさせられました。
「エージェントが動く」という発想を、部下に持たせるには
今うちの部署では、Geminiを含むいくつかのAIツールを試験導入しています。部下25名のうち、日常業務で使いこなしているのは正直6〜7名程度です。多くの人はまだ「質問に答えてもらうツール」として使っていて、エージェントとして自律的に動かすという発想がない。
今年の1月に自分でいくつかのタスクを実際にエージェント的に動かしてみたとき、そのギャップに気づきました。商談後のフォローメール作成から、CRMへの入力補助、翌日アポのリマインド整理まで、一連の流れを半自動化すると1件あたり30分ほどかかっていた後処理が10分以下に縮みました。これを全員がやれるようになれば、チーム全体で月に数百時間の工数が浮く計算になります。
ただ、その前提として社内のデータをどこまでAIに触れさせるかというセキュリティ要件の壁があります。情報システム部門からは「顧客データを外部LLMに送るな」という方針が出ていて、これは当然の判断です。だからこそベンダー選定では、データの扱い方と契約上の保護条項を先に確認するようにしています。
来期の稟議で経営陣にどう説明するか
今年の後半に向けて、AIエージェント導入の本格稟議を通す準備をしています。Google I/Oで示された方向性は、自分が準備している投資対効果の説明と一致している部分が多く、外部の根拠として使えます。Demis Hassabisが科学的問題解決におけるAIの役割を語ったセッションも、「精度と信頼性」というポイントで経営陣に見せたい内容でした。
稟議書では数字を出すことを必ず求められます。うちの経営陣は「何人月が削減されるのか」「それは本当に人件費削減につながるのか」という議論をしたがります。エージェント導入で生まれた余力が別の業務に再配置されるだけでは、コスト削減の話にはならないという指摘は、正しいと思っています。だから「工数削減」ではなく「商談数の増加」という成果指標に変換して書く方針にしました。
先週、部下の一人に試算を頼んだのですが、エージェントで後処理時間を減らした場合、1人あたり月に4件程度の商談が追加でできる余地が生まれる見込みです。25名で計算すると月100件規模の商談増加ポテンシャルになります。もちろんこれは最大値の想定であり、稟議書にはそのまま書きません。保守的に見積もって50件前後を目線に持ち、経営陣に「現実的に何が変わるか」を見せる形にするつもりです。
Google I/Oのような大きな場でAIエージェントの話が堂々と語られるようになったことは、稟議の文脈では追い風です。「グローバルの主要なテクノロジー企業が既にここに投資しています」という一文が、経営陣の慎重な反応を少し和らげてくれることがあります。
ベンダー評価と社内調整、残っている宿題
現在比較検討しているベンダーは3社です。Googleのエコシステムで動くもの、Microsoft系のもの、そして国内ベンダーのものを並べています。セキュリティ要件と価格だけで判断するのではなく、「うちの情報システム部門が運用できるか」「サポート体制が日本語で受けられるか」という実務的な観点を評価シートに加えています。
Google I/Oのロボティクスセッションで、Boston DynamicsのAlberto Rodriguezが「embodied physical AI」の進化を語っていたのは製造業として他人事ではありませんでした。直接の業務課題ではないですが、うちの工場側の部門長に読ませてみようと思っています。ものづくりの現場がAIエージェントとどう接続されていくか、営業DXとは別の文脈で議論が出てきそうな予感がします。
稟議を通すことがゴールではないので、通した後に部下が使いこなせる状態をどう作るかが、今の自分の一番大きな宿題です。