社内ナレッジAI化、マーケ視点で正直に評価してみた

高橋 沙織
高橋 沙織 20代・ デジタルマーケター
正直、最初は「また社内ツールの話か」と思って読み飛ばしかけた。
でも、ある数字が目に入って手が止まった。
生成AIとRAGを組み合わせた社内ナレッジ共有で、年間44.8万時間の削減を実現した企業があるらしい。

44.8万時間。
人が1年に働く時間が約2000時間として、単純計算で220人分以上の工数が浮いた計算になる。
これ、マーケ目線で見ると「そのリソース、広告運用に使えるじゃないか」という話でもある。

ナレッジ問題って、実は広告チームにも直撃してる



うちのチームを思い返すと、新しいメンバーが入るたびにSlackの過去ログを漁り、ConfluenceやNotionを開いては「これ古い情報だよね?」という確認が発生している。
MA施策のナレッジとか、過去A/Bテストの結果とか、属人化しているのは明らかだ。
ベテランが異動した瞬間にノウハウが蒸発する、あの感覚。

RAGというのは「検索拡張生成」と訳される仕組みで、自社のドキュメントをAIに読み込ませてから回答を生成させる技術のこと。
ChatGPTにいきなり聞くのとは違って、社内データを根拠にして答えてくれるから「ハルシネーション(でたらめ回答)」が起きにくい。
カスタマーサポートへの導入事例では、正答率98%を達成したケースが紹介されていた。

広告運用との接点で考えてみた



自分の日常に引き当てると、生成AIでの広告文生成はすでにやっている。
でも問題は「どのトーンが過去にCVRを伸ばしたか」「このセグメントには何が刺さったか」という蓄積をAIに渡せていないことだ。
RAGで社内の過去キャンペーンデータや運用ログをナレッジ化できれば、広告文生成の精度が一段上がる可能性がある。
「とりあえずChatGPTで書いて手直し」から「自社データに基づいた提案をAIが出す」フェーズに変わる感じ。

もちろん、前提として社内データの整備が必要になる。
ConfluenceやNotionがすでに形骸化しているという指摘が記事にあって、これはうちも他人事じゃない。
AIに食わせるドキュメントが散らかっていたら、アウトプットも散らかる。
GIGO(ゴミを入れたらゴミが出てくる)はAIでも変わらない。

ROI観点で考えると、初期の整備コストをどう見るかが判断の分かれ目だと思う。
ただ、年間44.8万時間削減という実績が本当なら、整備コストの回収はそれほど時間がかからないはずだ。
もちろん企業規模や業種によって数字は変わるから、自社での試算は必要になる。

まず自分でやれることとして、過去の広告施策ドキュメントをひとつのフォルダに整理するところから始めようと思っている。
RAGの導入より先に、AIに渡せるナレッジを作る習慣をチームに根付かせることが先決だと感じた。
あなたのチームでは、過去の施策データはどのくらい再利用できる状態になっているだろうか?

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