女子はChatGPT、男子はGemini?新大学生のAI利用データが広告に刺さる理由

高橋 沙織
高橋 沙織 20代・ デジタルマーケター
東京工科大学が2025年の新入生を対象に調査した生成AI利用トレンドが、じわじわ話題になっている。結果を見て、私は「これ、ターゲティングの話じゃん」と思った。

調査によると、女子学生はChatGPTを好む傾向があり、男子学生はGeminiを選ぶ割合が高かった。同じ「生成AI使ってる人」でも、プラットフォームがすでに分かれている。これはSNS広告で言うところの「媒体ごとのオーディエンス特性の違い」とまったく同じ構造だ。

「全員AI使ってる」は雑すぎるセグメント



デジタルマーケをやっていると、「Z世代はSNSネイティブ」「若年層はAIに親しんでいる」みたいなざっくりした括り方をよく見る。でも実際に広告を回すとき、「18〜24歳」でひとまとめにしたターゲティングが機能しないのと同じで、「AI利用者」という括りも雑すぎる。

今回の調査で面白いのは、SNS利用においても男女差がくっきり出ている点だ。女子学生はInstagramとTikTokの利用率が高く、男子学生はYouTubeとXへの偏りが見られた。これ、広告配信の媒体設計を考えるときにそのまま使える情報だと思う。

私が担当しているキャンペーンでも、同じ予算をInstagramとXに分けて入稿したとき、CPAが2倍以上ひらいたことがある。「若者向け」という括りの中に、実はまったく違うオーディエンスがいる。今回のデータはそれを改めて数字で見せてくれた感じがした。

AI利用プラットフォームの差は、コンテンツ設計にも影響する



ChatGPTとGeminiで何が違うかというと、インターフェースや回答スタイルだけじゃなく、ユーザーの「使い方の癖」が違う。ChatGPTはテキスト生成や対話型の深掘りが得意で、Geminiは検索連動やGoogle系サービスとの連携がスムーズだ。

女子学生がChatGPTを好む背景には、文章を書く・相談する・アイデアを出してもらうという使い方が多い可能性がある。男子学生がGeminiを選ぶのは、情報収集や調べ物との親和性かもしれない。これは推測だけど、行動パターンの差として広告クリエイティブのトーンにも関係してくる話だと思う。

私が記事の下書きや広告文生成にChatGPTを使っているのも、対話しながら修正できる感覚が合っているからだ。ツールの好みって、実はコンテンツの消費スタイルとリンクしている。

「どのAIを使っているか」が新しいオーディエンスシグナルになる



これから先、「生成AIを使っているかどうか」より「どのAIを・どう使っているか」がオーディエンスを理解するうえで重要な変数になってくると思う。SNSのプラットフォーム選びと同じように、AI選びにもその人の情報行動が滲み出る。

広告の話で言えば、今はまだAI利用行動を直接ターゲティングシグナルとして使える媒体はほぼない。でも、AI利用者が多いプラットフォームや文脈を読んでクリエイティブを設計することはできる。東京工科大学の調査は新入生という母集団ではあるが、5年後のコアターゲットの予兆として読むと面白い。

今回のデータを見て、自分のキャンペーンの媒体配分を一度見直してみようと思った。特に女性20代向けのクリエイティブに、ChatGPT的な「対話・相談・共感」のトーンを意識的に入れてみる価値はありそうだ。来月のABテストに組み込んでみるつもりだ。

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