先週、Web担当者Forumというサイトで「5月第5週のセミナー情報まとめ80件」という記事を見かけた。マーケティングやSNS、ECに関するウェビナーが5日間で80本も並んでいる。眺めているだけで少し目が回った。
うちは居酒屋を3店舗やっている。スタッフは25人いて、そのうち20人がアルバイトだ。毎週のシフト調整と食材発注で頭がいっぱいな自分が、なぜそんな記事を読んでいたかというと、正直に言えばインスタ集客に行き詰まりを感じていたからだ。
3店舗のアカウントをそれぞれ別で運用しているのだけれど、投稿は週2〜3回が精一杯だ。写真を撮って、文章を考えて、ハッシュタグを選んで、それだけで30分くらい消えていく。仕込みの合間にスマホを持つのも、子どもの夕飯を作りながらキャプションを考えるのも、なかなかしんどい。
一番苦手なのが文章だ。料理の写真はそれなりに撮れるようになったと思う。でも「この鶏の唐揚げをどう言葉にするか」で毎回止まってしまう。「ジューシー」「こだわり」「丁寧に」という言葉を何度使っただろう。自分でも飽きてきた。
そのセミナーリストの中に、サイバーエージェントが5月25日に開催した「人を動かす広告の新常識・リアル体験の力とは」というウェビナーがあった。タイトルだけ見て、うちには関係ないかなと思いつつ、内容が気になった。「広告は見せるから体験へ」という切り口は、居酒屋のインスタにも通じる気がしたのだ。
写真を見せるだけじゃなく、「この席に座ってみたい」「このお通しを食べてみたい」と感じさせる投稿を作れているか。そう問い直すと、自分の投稿は「見せる」止まりだったかもしれない。
そこで2か月前から試しているのが、AIを使ったキャプション作成だ。スタッフには「システムの話は任せて」と言われがちなのだけれど、これは完全にスマホだけで完結する。特別な知識はいらなかった。
やり方は単純だ。料理の写真を見ながら「今日の日替わりは鰆の西京焼きで、店長がこだわって仕入れた脂ののった鰆を使っています。常連のお客さんが楽しみにしているメニューです」と入力する。それをもとにAIが3パターンくらい文章の案を出してくれる。そこから自分の言葉を足して投稿している。
正直、最初は「なんか違う」と感じることが多かった。言葉がきれいすぎて、うちのザックリした雰囲気に合わなかった。でも「もう少しくだけた感じで」「常連さんに話しかけるように」と何度か指示し直したら、だんだん自分の口調に近いものが出てくるようになった。
効果は数字よりも、現場で感じた。来てくれたお客さんから「インスタ見ました、鰆の写真よかったです」と言われる回数が増えた。以前はほとんどなかった反応だ。スタッフの美咲ちゃん(20歳、接客担当)も「最近投稿の雰囲気変わりましたよね」と言ってくれた。褒め上手なのか本心なのかわからないけれど、素直に嬉しかった。
あのセミナーリストを見て感じたのは、マーケティングの世界は動きが速すぎるということだ。1週間で80本のセミナーが生まれている。全部追いかけようとしたら、店が回らない。
でも、自分みたいに「インスタの文章を考える時間が30分から10分になった」という小さな変化は、十分な収穫だと思っている。シフトは相変わらず手間だし、食材ロスもゼロにはできていない。それでも「一つだけ楽になった」があると、気持ちの余裕が違う。
次に試したいのは、食材ロスの記録をAIに読み込ませて、発注数の目安を出してもらうことだ。うちは3店舗それぞれ発注担当が違うので、感覚にバラつきがある。先月も渋谷店だけ大葉を大量に余らせてしまった。数字を整理するところから始めてみようと思っている。
80件のセミナーより、自分に必要なのは「一つのことを試してみる」だけだったかもしれない。気づいたら子どもを寝かしつけながら、次の投稿のキャプションを考えていた。
うちは居酒屋を3店舗やっている。スタッフは25人いて、そのうち20人がアルバイトだ。毎週のシフト調整と食材発注で頭がいっぱいな自分が、なぜそんな記事を読んでいたかというと、正直に言えばインスタ集客に行き詰まりを感じていたからだ。
インスタ、頑張ってるのに手が回らない
3店舗のアカウントをそれぞれ別で運用しているのだけれど、投稿は週2〜3回が精一杯だ。写真を撮って、文章を考えて、ハッシュタグを選んで、それだけで30分くらい消えていく。仕込みの合間にスマホを持つのも、子どもの夕飯を作りながらキャプションを考えるのも、なかなかしんどい。
一番苦手なのが文章だ。料理の写真はそれなりに撮れるようになったと思う。でも「この鶏の唐揚げをどう言葉にするか」で毎回止まってしまう。「ジューシー」「こだわり」「丁寧に」という言葉を何度使っただろう。自分でも飽きてきた。
そのセミナーリストの中に、サイバーエージェントが5月25日に開催した「人を動かす広告の新常識・リアル体験の力とは」というウェビナーがあった。タイトルだけ見て、うちには関係ないかなと思いつつ、内容が気になった。「広告は見せるから体験へ」という切り口は、居酒屋のインスタにも通じる気がしたのだ。
写真を見せるだけじゃなく、「この席に座ってみたい」「このお通しを食べてみたい」と感じさせる投稿を作れているか。そう問い直すと、自分の投稿は「見せる」止まりだったかもしれない。
AI使ったら、投稿が変わった
そこで2か月前から試しているのが、AIを使ったキャプション作成だ。スタッフには「システムの話は任せて」と言われがちなのだけれど、これは完全にスマホだけで完結する。特別な知識はいらなかった。
やり方は単純だ。料理の写真を見ながら「今日の日替わりは鰆の西京焼きで、店長がこだわって仕入れた脂ののった鰆を使っています。常連のお客さんが楽しみにしているメニューです」と入力する。それをもとにAIが3パターンくらい文章の案を出してくれる。そこから自分の言葉を足して投稿している。
正直、最初は「なんか違う」と感じることが多かった。言葉がきれいすぎて、うちのザックリした雰囲気に合わなかった。でも「もう少しくだけた感じで」「常連さんに話しかけるように」と何度か指示し直したら、だんだん自分の口調に近いものが出てくるようになった。
効果は数字よりも、現場で感じた。来てくれたお客さんから「インスタ見ました、鰆の写真よかったです」と言われる回数が増えた。以前はほとんどなかった反応だ。スタッフの美咲ちゃん(20歳、接客担当)も「最近投稿の雰囲気変わりましたよね」と言ってくれた。褒め上手なのか本心なのかわからないけれど、素直に嬉しかった。
飲食の現場にAIが入る、ちょうどいい距離感
あのセミナーリストを見て感じたのは、マーケティングの世界は動きが速すぎるということだ。1週間で80本のセミナーが生まれている。全部追いかけようとしたら、店が回らない。
でも、自分みたいに「インスタの文章を考える時間が30分から10分になった」という小さな変化は、十分な収穫だと思っている。シフトは相変わらず手間だし、食材ロスもゼロにはできていない。それでも「一つだけ楽になった」があると、気持ちの余裕が違う。
次に試したいのは、食材ロスの記録をAIに読み込ませて、発注数の目安を出してもらうことだ。うちは3店舗それぞれ発注担当が違うので、感覚にバラつきがある。先月も渋谷店だけ大葉を大量に余らせてしまった。数字を整理するところから始めてみようと思っている。
80件のセミナーより、自分に必要なのは「一つのことを試してみる」だけだったかもしれない。気づいたら子どもを寝かしつけながら、次の投稿のキャプションを考えていた。