Googleが検索窓を25年ぶりに刷新。これを稟議書にどう書くか

石井 雅之
石井 雅之 50代・ 大手製造業・部長
先日、Google I/Oの話題がニュースに流れてきました。Googleが25年間ほぼ変えなかった検索ボックスのデザインを、ついに刷新するというニュースです。あの細長い白い入力欄が、AIと対話できる動的なインターフェースに変わる。読んだ瞬間、正直「ああ、また変わるのか」と思いました。

ただ、もう少し読み進めてみると、単なるデザイン変更ではないと気づきました。毎日何十億件もの検索クエリが始まる入力欄を、キーワード型からAI駆動の会話型に変えるというのは、検索そのものの設計思想が変わるということです。これは私の仕事に、じわじわと影響してきそうだと感じました。

営業現場でのリサーチが変わる予感



うちの部門には営業担当が25名います。彼らが日常的にやっていることのひとつが、訪問前の顧客情報収集です。競合状況の把握、業界動向の確認、相手企業のプレスリリースのチェック。こういった下調べを、ほぼ全員がGoogleで行っています。

今のやり方はシンプルです。キーワードを打ち込んで、出てきたリンクを開いて、自分で読んでまとめる。1件の訪問準備に30分以上かかることも珍しくありません。月に20〜30件の訪問をこなす担当者だと、リサーチだけで毎月かなりの時間を使っている計算になります。

Googleの新しい検索が「AIと会話しながら情報を整理できる」設計になるなら、この下調べの時間が変わる可能性があります。私が気になるのは、変化の速度です。現場が「なんとなく便利になった」と感じる前に、どう使わせるかを考えておきたいところです。

経営陣への説明に使えるか、という視点で読んでしまう



こういうニュースを読むとき、私はいつも「これをどう稟議書に落とし込むか」という視点が先に立ちます。職業病かもしれませんが、どんな技術トレンドの話を聞いても、投資対効果をどう数字にするか、セキュリティ要件をどう整理するか、という頭の動きが先に来ます。

たとえば今回の話を経営陣に説明するとしたら、「Googleが検索を変えた」では当然通りません。「営業準備工数が月あたり何時間削減できるか」「それが売上機会の創出にどう結びつくか」という形に変換しないといけません。数字の根拠をどこに置くか、これが毎回頭を悩ませるポイントです。

ただ、今回のGoogleの動きには、もう一つ気になる点があります。AI検索が前提になると、社員が業務上の情報をどのように扱うかというセキュリティの問題が出てきます。個人のGoogleアカウントで仕事のリサーチをする習慣がある部下も少なくありません。会社のデータや顧客情報が検索クエリに含まれるリスクをどう管理するか、ガイドライン側の整備も同時に動かさないといけません。この話を情報システム部門と一緒にやれるかどうか、社内調整の難易度は低くないと見ています。

部下に使わせる前に、自分で試す



Googleの新しい検索がどこまで実用的かは、まだわかりません。I/Oでの発表は正式リリース前の段階です。ただ、こういう変化は早めに触れておかないと、ベンダーの営業担当から説明を受けるだけの立場になります。それは避けたいと思っています。

以前、AIツールの導入検討で同じ失敗をしました。ベンダーのデモを先に見てしまい、自分の中に比較軸がないまま提案を受けた結果、評価に時間がかかって判断が遅れた経験があります。あのときは部下にも余計な待ち時間を作ってしまいました。

今回は先手を打つつもりです。まず自分が日常の調べ物でGoogleの新しい検索を使い込んでみる。営業リサーチのシーンで実際にどう使えるかを自分で感じてから、部下への展開を考えます。試してみた感触を持った上でベンダーと話す方が、評価の精度が全然違います。

Googleが25年変えなかったものを変えたという事実は、単なるUIの話ではありません。検索という行動そのものが変わるなら、業務設計も少し見直すタイミングが来ているかもしれません。

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