OpenAIが大学生を囲い込み始めた。これが採用に直結する話

木村 俊介
木村 俊介 30代・ スタートアップ創業者
OpenAIがキャンパスネットワークという取り組みを始めた。世界中の大学の学生クラブを繋いで、AIツールへのアクセスやイベント開催の支援をするプログラムだ。学生がAIを使い倒す環境をOpenAI自身が整備していく、という話である。

最初に読んだとき、「ああ、学生向けの施策ね」で終わりかけた。でも少し考えると、これは採用市場の話だと気づいた。

3年後に入ってくる人材が、もうAIネイティブになっている



OpenAI Campus Networkでは、参加する学生クラブがChatGPTなどのAIツールにアクセスしながら、キャンパス内でコミュニティを作っていく。イベントを開き、仲間を集め、日常的にAIを触り続ける。つまり彼らは在学中から「AIと一緒に仕事する」感覚を身につけるわけだ。

自分がいま採用で苦しんでいる理由の一つは、「AIを使えるかどうか」の見極めが難しいことだった。職務経歴書に「ChatGPT活用経験あり」と書かれても、実際の解像度がバラバラすぎる。でもこのプログラムを経由してきた学生は、少なくとも日常的にAIに触れている。採用時の前提が変わってくる。

8名規模でやっている自分たちにとって、一人あたりの生産性は本当に直接的な経営課題だ。AIをすでに使いこなせる人が入ってくれば、オンボーディングのコストが下がる。それだけじゃなく、「AIでこうしたらどうですか」と自分から提案してくれる人材が増える可能性がある。

競合の動きより、採用候補者の変化に目を向けるべき理由



先月、同じ業界のスタートアップのCEOと話したとき、「最近の新卒、ツールの覚えが早すぎる」という話が出た。感覚的な話だと思っていたけど、OpenAIが組織的に動いているとなると、これは構造的な変化だ。

自分たちが採用する相手は今後、こういう環境で育った人たちになっていく。面接でAIの使い方を聞くより、「どんなプロジェクトでAIを使ってどう動かしたか」を聞くほうが意味を持つようになる。評価軸ごと変えないといけないかもしれない。

採用だけじゃなく、インターンの設計にも影響する。AIツールにアクセスできる環境と、実際に使う課題を用意すれば、3ヶ月でかなりのアウトプットが出る人材が来やすくなる。受け入れる側の準備が問われる。

投資家との会話でも、「採用どうしてる?」は必ず出てくる質問だ。そこで「AIネイティブ世代を前提にした採用設計に変えた」と言えるかどうか。小さなことに見えて、会社の成長モデルの話に繋がる。

今週、採用要件を見直す時間を取ろうと思っている。特に「AIツールの経験」をどう問うかの部分。OpenAIのキャンパスネットワーク参加者が増えていく前提で、スクリーニングの基準ごと変えてみるつもりだ。

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