Web担当者Forumが毎週まとめているセミナー情報、今週分を見たら7月第2週だけで74件ありました。マーケティング、SEO、データ分析、EC……分野も主催企業もバラバラです。これを部下25名にどう振り分けるか、正直、少し頭が痛くなりました。
「とりあえず全員に告知」が一番まずい
以前は、セミナー情報が来るたびに部全体のチャットに貼って「興味ある人は申し込んで」とやっていました。結果どうなったか。誰も申し込まないか、逆に誰でも申し込んでしまうかの二択です。前者は情報が流れるだけ、後者は「なんで参加したの?」となる。どちらも投資対効果として経営陣に説明できる状態ではありません。
今回のリストで気になったのは、7月7日開催の「AIを入れても、なぜ現場は楽にならないのか」というウェビナーです。シナジーマーケティング株式会社主催で、参加費は無料でした。私の部でも昨年度からAIツールをいくつか導入しましたが、正直なところ、楽になっている実感が薄い担当者がいます。ツールは入れた、でも現場の動き方が変わっていない。そういう状態です。このウェビナーのタイトルは、その問いをそのまま突いてきていました。
もう一つ目に留まったのが、7月7日の「Japan SEO Conference」です。参加費14,900円(税込)、東京駅から徒歩圏内での開催。有料かつリアル開催となると、稟議まではいかなくても上長への報告は必要です。ただ、SEOとAI検索の関係は今うちの営業DXでも議論が出始めている。費用対効果を考えると、担当者1名を送り込む価値はあるかもしれません。
受講目的を先に定義しないと、学びが業務に還らない
私が社内でセミナー受講を承認するとき、必ず確認することがあります。「このセミナーで何を持ち帰って、どの業務に使うのか」という問いです。これを事前に言語化できない場合、受講後に報告書を書かせても感想文で終わります。
実際、昨年度に部下がデータ分析系のウェビナーに3名参加しましたが、学んだことが業務フローに落ちたのは1名だけでした。残り2名は「勉強になりました」で終わっています。3名分の時間コストを考えると、事前の目的設定が甘かったと自分の判断ミスとして受け止めています。
今週のリスト74件を見渡すと、無料ウェビナーが大半を占めています。無料だから気軽に申し込める反面、「とりあえず聞いてみる」という意識になりやすい。それが一番怖いと思っています。無料でも部下の1時間は、1500名規模の製造業の人件費として換算すれば軽くはありません。
ベンダー評価にも使えるという視点
実はセミナーをベンダー評価の一手段として使うことも、私は意識的にやっています。主催企業の説明の仕方、質疑への対応、事例の具体性……これを見れば、そのベンダーが自社に合うかどうかの仮説が立ちやすいのです。
今回のリストに出ていたエキサイト社のMAツール選定事例(コスト年間200万円削減、株式会社ベーシック主催)は、まさにそのパターンです。数値が出ている事例ウェビナーは稟議の参考資料にもなりえます。部下に参加させるだけでなく、自分でも30分くらいなら聞いてみる価値があります。
- 目的先行で参加者を選定する(全員告知しない)
- 有料・リアル開催は上長報告ルートを事前に確認する
- 無料でもアウトプット要件を参加前に設定する
- ベンダー評価の目線でも活用できるセミナーを意識的に拾う
この74件という数は、週次で届くセミナー情報としてはかなりの量です。全部を追う必要はないのですが、流し読みだけで終わらせるのももったいない。今週は2〜3件に絞って、目的設定のテンプレートを部内に作ってみようと考えています。受講申請のフォーマット一つ整えるだけで、参加の質はずいぶん変わるはずです。