先日、AIに関する記事を読んでいて、ちょっと刺さった数字があった。生成AIとRAGを組み合わせてナレッジ共有を仕組み化した企業が、カスタマーサポートで98%の正答率を達成し、年間44.8万時間の削減を実現したという話だ。
44.8万時間。正直、最初は「どこの会社の話だ」と思った。でも冷静に考えると、うちの部署でも似たようなことは起きている。ベテランが異動すると、その人が持っていた製品知識や顧客対応のノウハウが一緒に消える。新人が「ConfluenceやNotionを見れば分かりますよね?」と言われても、実際には誰も更新していない古いページが山積みで、検索しても欲しい答えに辿り着けない。結局、先輩社員に口頭で聞くしかない。この繰り返しだ。
技術の話より先に、私が気になるのは「どうやって経営陣に説明するか」という部分だ。営業DXの取り組みをいくつか推進してきたが、稟議で一番ネックになるのはROIの説明と、セキュリティへの懸念だ。特に今回のようなナレッジ共有系のAI導入は、効果が「時間削減」や「属人化の解消」になるため、金額に換算しにくい。
そこで使えるのが、さっきの44.8万時間という数字のような具体的な根拠だ。自社の数値に置き換えて試算する。たとえば、部下25名が1日あたり問い合わせ対応や情報検索に費やす時間を30分と仮定する。年間では約3,000時間になる。人件費に換算すれば、経営陣にも伝わりやすい数字になる。感覚論ではなく、計算式を見せることが大事だ。
セキュリティについては、RAGの仕組みを理解してもらうことが近道だと思っている。RAGは社内データを外部に学習させるわけではなく、あくまで「検索して文脈に渡す」構造だ。ここを誤解されると話が進まない。情報システム部門と事前に認識を合わせておいて、稟議書にセキュリティ設計の概要を一枚添付するだけで、役員会の反応がだいぶ変わる。
実際にベンダーから提案を受け始めると、どこも「RAG対応」「社内データ連携」と謳ってくる。でも提案内容を見ると、既存のConfluenceやNotionとの連携がどこまで実装済みなのかが曖昧なことが多い。うちはConfluenceをメインで使っているので、そこと繋がらない提案は採用しにくい。
評価軸として私が重視しているのはこの3点だ。
3番目が意外と見落とされる。AIを入れたはいいが、ナレッジの更新を誰がどう管理するかの設計がないと、半年後にはまた「誰も使わないシステム」になる。形骸化の構造をAIで再現しても意味がない。
来週、ベンダー2社のデモに部下を同席させて、現場目線の評価を拾ってくるつもりだ。自分だけで判断せず、実際に使う側の感覚を確認してから稟議のシナリオを組み立てたい。あなたの会社では、こういうAI系の提案を経営陣に通す際、どんな説明フレームが効いているだろうか?
44.8万時間。正直、最初は「どこの会社の話だ」と思った。でも冷静に考えると、うちの部署でも似たようなことは起きている。ベテランが異動すると、その人が持っていた製品知識や顧客対応のノウハウが一緒に消える。新人が「ConfluenceやNotionを見れば分かりますよね?」と言われても、実際には誰も更新していない古いページが山積みで、検索しても欲しい答えに辿り着けない。結局、先輩社員に口頭で聞くしかない。この繰り返しだ。
「便利そうだね」で終わらせない稟議の作り方
技術の話より先に、私が気になるのは「どうやって経営陣に説明するか」という部分だ。営業DXの取り組みをいくつか推進してきたが、稟議で一番ネックになるのはROIの説明と、セキュリティへの懸念だ。特に今回のようなナレッジ共有系のAI導入は、効果が「時間削減」や「属人化の解消」になるため、金額に換算しにくい。
そこで使えるのが、さっきの44.8万時間という数字のような具体的な根拠だ。自社の数値に置き換えて試算する。たとえば、部下25名が1日あたり問い合わせ対応や情報検索に費やす時間を30分と仮定する。年間では約3,000時間になる。人件費に換算すれば、経営陣にも伝わりやすい数字になる。感覚論ではなく、計算式を見せることが大事だ。
セキュリティについては、RAGの仕組みを理解してもらうことが近道だと思っている。RAGは社内データを外部に学習させるわけではなく、あくまで「検索して文脈に渡す」構造だ。ここを誤解されると話が進まない。情報システム部門と事前に認識を合わせておいて、稟議書にセキュリティ設計の概要を一枚添付するだけで、役員会の反応がだいぶ変わる。
ベンダー提案を評価するときに確認すること
実際にベンダーから提案を受け始めると、どこも「RAG対応」「社内データ連携」と謳ってくる。でも提案内容を見ると、既存のConfluenceやNotionとの連携がどこまで実装済みなのかが曖昧なことが多い。うちはConfluenceをメインで使っているので、そこと繋がらない提案は採用しにくい。
評価軸として私が重視しているのはこの3点だ。
- 既存ツール(Confluence等)との連携実績があるか
- 社内オンプレ環境またはプライベートクラウドでの運用が可能か
- 導入後のデータ更新・メンテナンスを現場が自走できる設計になっているか
3番目が意外と見落とされる。AIを入れたはいいが、ナレッジの更新を誰がどう管理するかの設計がないと、半年後にはまた「誰も使わないシステム」になる。形骸化の構造をAIで再現しても意味がない。
来週、ベンダー2社のデモに部下を同席させて、現場目線の評価を拾ってくるつもりだ。自分だけで判断せず、実際に使う側の感覚を確認してから稟議のシナリオを組み立てたい。あなたの会社では、こういうAI系の提案を経営陣に通す際、どんな説明フレームが効いているだろうか?